2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『明治三十一年日記』1

森鷗外のガーデニング 14 『明治三十一年日記』1 鷗外の日記に植物が記されたものとして、『明治三十一年日記』がある。この日記は、一月一日から始まり、十二月二日まで書かれている。その中で、植物に関する記載は二月から十月までで、『花暦』に負けない…

『花暦』4

森鷗外のガーデニング 12 『花暦』4 ・四頁 六月二十三日 金絲桃 「金絲桃」は、オトギリソウ科常緑低木のビヨウヤナギ。漢名は金線海棠。葉は、生薬となる。乾燥させるかあるいは生の葉を煎じつめ、お茶の替わりに飲めば、胆石や結石症に効果があるという…

『花暦』3

森鷗外のガーデニング 11 『花暦』3 ・二頁 四月七日、十日 櫻 鷗外は、七日と十日にサクラの開花を記している。これは鷗外の庭でなく上野の山と向島でのこと。 観潮楼の二階から上野の山が見えたというから、サクラが咲いていた様子を楽しんだかもしれない…

『花暦』2

森鷗外のガーデニング 10 『花暦』2 では、『花暦』に記された花を紹介しよう。 ・一頁 二月十五日 梅 『花暦』に登場するの最初の花は、ウメである。バラ科の落葉樹、紅梅であろう。 この年は、寒かったようで、開花が遅い。明治三十一年の日記によると、…

『花暦』1

森鷗外のガーデニング 9 『花暦』1 ・不思議な花暦 森鷗外が七ヶ月かかって書いたにもかかわらず、全集はもちろん、関連した本や雑誌など、どこにも触れられていない『花暦』がある。『花暦』は半紙四枚に記され、筆跡から見て、鷗外自身が書いたことは間…