2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『書簡に見られる花』

森鷗外のガーデニング 17 『書簡に見られる花』 明治三十五年四月以降、四十一年まで鷗外の日記はないが、妻・志げなどに宛てた書簡に、花に関する記述がある。 明治三十七年、日露戦争に従軍先から、 三月二十九日 森しげ子宛 「・・・廣嶋に来てから八日目…

『小倉日記』の植物

森鷗外のガーデニング 16 『小倉日記』の植物 『明治三十二年』 『明治三十一年日記』は、十二月二日で終わっている。その後の日記として明治三十二年六月十六日から始まる『小倉日記』がある。その間には約半年間の空白がある。鷗外は、花や植物どころか日…

『明治三十一年日記』2

森鷗外のガーデニング 15 『明治三十一年日記』2 ・『花暦』との比較 明治三十一年の鷗外は、三十六才。公務では、近衛師団軍医部長兼医学校校長。その年、『審美新鋭』を『めざまし草』に訳載、『智慧袋』を時事新報に連載、『美学史抄』を寄稿、『西周伝…

『花暦』5

森鷗外のガーデニング 13 『花暦』5 鷗外の『花暦』には、二月十五日から九月十五日までの期間に咲いた68種の植物が登場する。三百坪を超える庭に、サクラを除く、67種の花が記されているが、その他にも数多くの花が咲いたと思われる。『花暦』の花を草と木…