2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

庶民の元気を示す見世物

江戸庶民の楽しみ 83 庶民の元気を示す見世物 見世物に関する情報は、江戸や大坂など主要都市をはじめ、全国レベルで行き交っていた。大坂で人気を呼んでいる出し物があると聞けば、すぐに江戸の香具師が出かけていって品定めをし、ものになりそうな見世物で…

盛り上がる寄席

江戸庶民の楽しみ 82 盛り上がる寄席 寄席が江戸で常設となったのは、大坂から下った岡本万作という男が、町の辻々にビラを張って神田豊島町の藁屋の二階で興行した1798年(寛政十)である。なお、寄席が初めて開設されたのは、それよりも約五十年前(延享二…

富籤に託した一攫千金の夢

江戸庶民の楽しみ 81 富籤に託した一攫千金の夢 一鉢の植木が時にとんでもない利益を生むことから、園芸で身を立て、成功をおさめる者がでる一方、本業を放り出して、落魄する者もあったことが『遊歴雑記』に記されている。いつの世にも、一攫千金を夢見る者…

庶民を巻き込んだ園芸のバブル

江戸庶民の楽しみ 80 庶民を巻き込んだ園芸のバブル 一八〇四年(文化元)頃に、堀切村(現葛飾区)の百姓小高伊右衛門が安積沼から菖蒲の苗を移植し菖蒲園作りに着手した。また、佐原鞠塢が寺島村に花屋敷(新梅屋敷、現在の向島百花園)を開いている。 一…