補足1
昭和記念公園は、景観のつくり方、見せ方にいくつもの問題点がある。まず、最初の見せ場とな入口のカナールは、あけぼの口から緩やかな丘を登ると、遠くに噴水などが見える。さらに進み、入場門近くになると噴水・カナールは見にくくなり、門を潜り進むと噴水・カナールの美しい姿が展開する。景観を見せる手法としては一応考えられているが、その演出効果や景観構成には問題がある。

②眺望(ビスタ)に奥行きを感じさせるには、凹みの角度(コンケーブ)をもっと急にする必要がある。すり鉢状にして見下ろすようにすれば、噴水・カナールはもっとその形がよく見えたはず。噴水が両側のイチョウ並木の焦点に位置するように、またそれがハッキリとわかるような景観にすれば、噴水が際たった。
③イチョウは、20~30mに生長する樹木である。先端を切り落とさず伸ばしていたら、見通し線は強調され、噴水を際立たせることができたはず。イチョウらしからぬ樹形に

④もしかすると、あの場所に整形式庭園風のデザインを導入すること自体、無理だったのではなかろうか。公園の入口に昭和天皇記念館があり、そこから公園内へと入るのであるから、最初のゾーンは記念館と何らかの関連があるイメージや昭和を思い起こすような景観を見せるべきではなかろうか。