秋の草花
十月に入ると、日を追って咲いている花の種類は少なくなる。花が終り結実し、地上部が枯れ始める季節である。この頃から十二月の初めにかけては、宿根草の株分けに適した季節である。株分けに際しては、根の張り方や太り具合を確認し、以後の管理を考える機会にしたい。植物によっては、その年に花が数多く咲いたことから、根の生育も良かったと思いがちである。しかし、翌年には蕾をあまり付けず、ほとんど花を咲かせないようなことがある。そのような失敗を避けるには、株分けをしなくても根の状況を確認することを薦めたい。
十月の花としては、アキギリ・アキチョウジ・アサガオ・イヌショウマ(オオバショウマ)・オミナエシ(オトコエシ)・カワラナデシコ・キキョウ・シオン・ツリフネソウ・ナンバンギセル・ハマカンゾウなどに加えて、オケラ・サワヒヨドリ(ヒヨドリバナ)・ジョウロウホトトギス・シュウメイギク・シロバナタンポポ・シロバナホトトギス・シロヨメナ・タカクマホトトギス・ノジギク・フジバカマ(サワフジバカマ)・ヤマホトトギスなどが咲いている。これらの植物の中で、特にイヌショウマ、シロバナホトトギス、タカクマホトトギス、フジバカマを紹介したい。
十月に入ると、日を追って咲いている花の種類は少なくなる。花が終り結実し、地上部が枯れ始める季節である。この頃から十二月の初めにかけては、宿根草の株分けに適した季節である。株分けに際しては、根の張り方や太り具合を確認し、以後の管理を考える機会にしたい。植物によっては、その年に花が数多く咲いたことから、根の生育も良かったと思いがちである。しかし、翌年には蕾をあまり付けず、ほとんど花を咲かせないようなことがある。そのような失敗を避けるには、株分けをしなくても根の状況を確認することを薦めたい。
十月の花としては、アキギリ・アキチョウジ・アサガオ・イヌショウマ(オオバショウマ)・オミナエシ(オトコエシ)・カワラナデシコ・キキョウ・シオン・ツリフネソウ・ナンバンギセル・ハマカンゾウなどに加えて、オケラ・サワヒヨドリ(ヒヨドリバナ)・ジョウロウホトトギス・シュウメイギク・シロバナタンポポ・シロバナホトトギス・シロヨメナ・タカクマホトトギス・ノジギク・フジバカマ(サワフジバカマ)・ヤマホトトギスなどが咲いている。これらの植物の中で、特にイヌショウマ、シロバナホトトギス、タカクマホトトギス、フジバカマを紹介したい。
イヌショウマ(オオバショウマ)
イヌショウマは、キンポウゲ科の多年草で、草丈は50~90㎝程である。花は、茎の先端に穂状の白い花を付ける。小さな花の穂は20~30㎝もあり、数株まとまるとかなり見応えがある。イヌショウマの仲間として、サラシナショウマ、オオバショウマなどもある。イヌショウマを取り上げたのは、準絶滅危惧(NT)種に指定されているが、他のショウマ類より(千葉県県内では)育て易かったからである。耐陰性があり、乾燥にも耐え、かなり強い植物である。移植は容易で、病虫害の心配もほとんどなく管理も楽である。一株植えると、種が散り飛び発芽し増え、群落を形成する。
イヌショウマは早い年でも三月末、四月になってから芽が出ることから、周囲の植物に埋もれることがあり見過ごしやすい。それでも、耐陰性があることから、大半は多少被圧されても生育する植物である。しかし、群馬県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、千葉県などでも減少が心配されている。そこで、繁殖を期待して、海浜に近い場所で試験植栽をしてみた。植えた年は、夏には枯れ消えてしまった。あきらめていたら、翌年の春、確認に行くと再び芽が出た。このことから、秋には地上部が消えても、翌年再び芽を出す可能性のあることがわかる。そのため、イヌショウマは庭や公園などに積極的に植栽すれば、増やすことが期待できる。
イヌショウマの咲くころ、花を咲かせる植物にキツリフネがある。混植すると、白い穂状の花と黄色い花のアンサンブルは見応えがある。また、クガイソウの中に植えても、負けずに生育し花を咲かせるなど、他の植物との混植も可能である。
イヌショウマは、キンポウゲ科の多年草で、草丈は50~90㎝程である。花は、茎の先端に穂状の白い花を付ける。小さな花の穂は20~30㎝もあり、数株まとまるとかなり見応えがある。イヌショウマの仲間として、サラシナショウマ、オオバショウマなどもある。イヌショウマを取り上げたのは、準絶滅危惧(NT)種に指定されているが、他のショウマ類より(千葉県県内では)育て易かったからである。耐陰性があり、乾燥にも耐え、かなり強い植物である。移植は容易で、病虫害の心配もほとんどなく管理も楽である。一株植えると、種が散り飛び発芽し増え、群落を形成する。
イヌショウマは早い年でも三月末、四月になってから芽が出ることから、周囲の植物に埋もれることがあり見過ごしやすい。それでも、耐陰性があることから、大半は多少被圧されても生育する植物である。しかし、群馬県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、千葉県などでも減少が心配されている。そこで、繁殖を期待して、海浜に近い場所で試験植栽をしてみた。植えた年は、夏には枯れ消えてしまった。あきらめていたら、翌年の春、確認に行くと再び芽が出た。このことから、秋には地上部が消えても、翌年再び芽を出す可能性のあることがわかる。そのため、イヌショウマは庭や公園などに積極的に植栽すれば、増やすことが期待できる。
イヌショウマの咲くころ、花を咲かせる植物にキツリフネがある。混植すると、白い穂状の花と黄色い花のアンサンブルは見応えがある。また、クガイソウの中に植えても、負けずに生育し花を咲かせるなど、他の植物との混植も可能である。
シロバナホトトギス
シロバナホトトギスは、ユリ科の多年草で、草丈は30~60㎝程である。花は2~3㎝位で、茎先端と葉腋に白い花を上向きに付ける。かつて、ヤマジノホトトギスを植えていたのだが、いつの間にかタイワンホトトギスに変わってしまった。理由はわからないが、タイワンホトトギスを植えた記憶はない。さらに、シロバナホトトギスも植えた記憶がない。現在では、シロバナホトトギスが雑草のように生育し、我が家の秋の花としてあちこちで咲いている。
芽の出るのは、三月末から四月初めで、その後も逐次出ているようである。前年のこぼれ種から、無数といって良いほど発芽し繁茂する。シロバナホトトギスは、放置すれば密生しそのまま生育する。周囲の植物を駆逐するので、適当に間引きしなければならない。狭い場所に落ちた種からも発芽し、それなりに生育し開花する。葉は虫に食べられるようだが、強靱で枯れることはない。
シロバナホトトギスは、直射日光が当たらなくても、明るい日陰であれば十分に生育し開花する。逆に、強い日差しは避けた方がよい。生育条件として最も効くのは水分、乾燥には弱いようだ。湿気のある明るい日陰地、住宅の裏庭、マンションのベランダにも植えることができる。また、意図して植えたのではないが、アキチョウジやキツリフネなどの中に発芽したシロバナホトトギスは、趣があり調和している。シュウカイドウとも共存できそうに思える。
シロバナホトトギスは、ユリ科の多年草で、草丈は30~60㎝程である。花は2~3㎝位で、茎先端と葉腋に白い花を上向きに付ける。かつて、ヤマジノホトトギスを植えていたのだが、いつの間にかタイワンホトトギスに変わってしまった。理由はわからないが、タイワンホトトギスを植えた記憶はない。さらに、シロバナホトトギスも植えた記憶がない。現在では、シロバナホトトギスが雑草のように生育し、我が家の秋の花としてあちこちで咲いている。
芽の出るのは、三月末から四月初めで、その後も逐次出ているようである。前年のこぼれ種から、無数といって良いほど発芽し繁茂する。シロバナホトトギスは、放置すれば密生しそのまま生育する。周囲の植物を駆逐するので、適当に間引きしなければならない。狭い場所に落ちた種からも発芽し、それなりに生育し開花する。葉は虫に食べられるようだが、強靱で枯れることはない。
シロバナホトトギスは、直射日光が当たらなくても、明るい日陰であれば十分に生育し開花する。逆に、強い日差しは避けた方がよい。生育条件として最も効くのは水分、乾燥には弱いようだ。湿気のある明るい日陰地、住宅の裏庭、マンションのベランダにも植えることができる。また、意図して植えたのではないが、アキチョウジやキツリフネなどの中に発芽したシロバナホトトギスは、趣があり調和している。シュウカイドウとも共存できそうに思える。
タカクマホトトギス
タカクマホトトギスは、ユリ科の多年草で、草丈は20~50㎝程である。花は3㎝位で、茎上部の葉腋に黄色い花を上向きに1~2輪付ける。可憐な花を付け、葉は無毛で艶のある緑色が美しいことから、鉢植にして楽しむ人が多い。それを、鉢から出して地植えをしたら毎年株が増えた。取り扱いは案外容易である。植栽地は、半日陰で滞水しない場所、傾斜地が望ましい。病害虫の心配では、春先に柔らかい先端を食べられることがある。なお、被害は先端だけですみ、枯れることはなく、花数は多少すくなくなるが咲く。花の少なくなる時期に咲くことから、庭や公園での植栽を提案したい。
タカクマホトトギスの芽出しは、三月中旬頃で、新芽の時点から緑色が美しい。その後の生長はゆっくりしていて、九月中旬頃に蕾が出てくる。開花は、早い年は九月下旬に始まり、十月上旬まで咲いている。ただし、一つの花の開花期間は気温が高いと3日ほどで終わる。黄色い艶のある花は、寿命が短いだけに魅力的である。
タカクマホトトギスが生育できる場所には、ジョウロウホトトギスの生育にも適している。これらの生育する周辺には、レンゲショウマやキレンゲショウマなども生育している。そして、この他にも生育可能な植物がありそうなので、これからも試験植栽に挑戦したい。
タカクマホトトギスは、ユリ科の多年草で、草丈は20~50㎝程である。花は3㎝位で、茎上部の葉腋に黄色い花を上向きに1~2輪付ける。可憐な花を付け、葉は無毛で艶のある緑色が美しいことから、鉢植にして楽しむ人が多い。それを、鉢から出して地植えをしたら毎年株が増えた。取り扱いは案外容易である。植栽地は、半日陰で滞水しない場所、傾斜地が望ましい。病害虫の心配では、春先に柔らかい先端を食べられることがある。なお、被害は先端だけですみ、枯れることはなく、花数は多少すくなくなるが咲く。花の少なくなる時期に咲くことから、庭や公園での植栽を提案したい。
タカクマホトトギスの芽出しは、三月中旬頃で、新芽の時点から緑色が美しい。その後の生長はゆっくりしていて、九月中旬頃に蕾が出てくる。開花は、早い年は九月下旬に始まり、十月上旬まで咲いている。ただし、一つの花の開花期間は気温が高いと3日ほどで終わる。黄色い艶のある花は、寿命が短いだけに魅力的である。
タカクマホトトギスが生育できる場所には、ジョウロウホトトギスの生育にも適している。これらの生育する周辺には、レンゲショウマやキレンゲショウマなども生育している。そして、この他にも生育可能な植物がありそうなので、これからも試験植栽に挑戦したい。
フジバカマ
フジバカマ(サワフジバカマ)は、キク科の多年草で、草丈は50㎝程から1m以上になる。花は桃色で5㎜程、茎の先に散房状に密集する。フジバカマは秋の七草として親しまれ、戦前には河原などに野生化していたが、近年では減少(レッドリスト・準絶滅危惧(NT)種)している。そのため、入手は園芸店ということになるが、フジバカマと呼ぶ植物の大半がサワフジバカマ(フジバカマとサワヒヨドリの雑種)や同属他種となっている。ここでは、植物の学術的な分類にこだわらず、それらを含めてフジバカマとして扱う。フジバカマは、日当たりを好むが半日陰でも生育する。土が乾燥しなければ酷暑にも耐え、病虫害の心配もほとんどなく、強靱な植物である。できれば、フジバカマだけを植えるのではなく、ヨメナなど他の植物と混植すると互いの魅力を引き立てるように植栽したい。
フジバカマの芽出しも、三月中旬頃である。芽が出たあとの生育は早く、四月には30㎝程に伸びる。先に出ていた周りの草より高くなり、七月には1mを超える場合もある。そのため、伸びすぎだと感じたら、八月には切り戻して高さを調節すれば良い。また、地下茎による繁殖力も強く、適宜間引きしないと周りの植物を被圧してしまう。
フジバカマ(サワフジバカマ)は、キク科の多年草で、草丈は50㎝程から1m以上になる。花は桃色で5㎜程、茎の先に散房状に密集する。フジバカマは秋の七草として親しまれ、戦前には河原などに野生化していたが、近年では減少(レッドリスト・準絶滅危惧(NT)種)している。そのため、入手は園芸店ということになるが、フジバカマと呼ぶ植物の大半がサワフジバカマ(フジバカマとサワヒヨドリの雑種)や同属他種となっている。ここでは、植物の学術的な分類にこだわらず、それらを含めてフジバカマとして扱う。フジバカマは、日当たりを好むが半日陰でも生育する。土が乾燥しなければ酷暑にも耐え、病虫害の心配もほとんどなく、強靱な植物である。できれば、フジバカマだけを植えるのではなく、ヨメナなど他の植物と混植すると互いの魅力を引き立てるように植栽したい。
フジバカマの芽出しも、三月中旬頃である。芽が出たあとの生育は早く、四月には30㎝程に伸びる。先に出ていた周りの草より高くなり、七月には1mを超える場合もある。そのため、伸びすぎだと感じたら、八月には切り戻して高さを調節すれば良い。また、地下茎による繁殖力も強く、適宜間引きしないと周りの植物を被圧してしまう。