和のガーデニング3
植栽地の環境を整える
1-2 土壌条件(乾湿)
土壌中の水分は、植物の生育に大きな影響を与えます。水浸し場所から、乾燥した場所まで土壌の条件はいくつかに分けられます。ただ、土壌中の水分が植物に与える影響は、水分が停滞するか入れ代わる(流水)かによって大きく異なります。ここでは、あまり変化しないものとして、5段階に分け植物を紹介します。
1.水を含んだ土壌(水生植物)
水中でたっぷり水分を含んだ土壌に生育する植物として、カキツバタ、ヒツジグサ、ミズバショウなどがあります。これらの植物は水性植物とも呼び、土壌中に多量の水分を含んでいなければ生育できません。したがって、池や流れがないと栽培の困難な植物が該当します。
2 .湿地土壌(湿地植物)
湿地に生育する植物として、ハナショウブ、ミソハギ、ハンゲショウなどがあります。ハナショウブは水中でも生育しているものを見ますが、一時的に乾燥しても生育することから湿地植物としました。ミソハギやハンゲショウも湿地以外でも生育可能なように、適応性が高く湿地も適しているということで湿地性植物としました。
3.比較的湿った土壌(湿り気を好む植物)
比較的湿った土壌を好む植物として、クマガイソウ、フクジュソウ、ヤマブキソウなどがあります。山野草の多くは、比較的湿った土壌に生育する植物が多く、どちらかといえば乾燥を嫌います。フクジュソウのように、乾燥を嫌うものの水はけの良い土壌を好む植物が多いです。
4.比較的乾いた土壌(滞水を嫌う植物)
乾燥気味の土壌でも生育する植物として、オカトラノオ、シオン、ヤマユリなどがあります。一般に日当たりの良い場所に生育するため、土壌が乾燥気味になるものです。また、センノウ類など、根腐れの原因となる滞水を嫌う植物もこの仲間に入ります。
5.乾燥した土壌(乾燥に耐える植物)
乾燥に耐える植物として、イカリソウ、エビネ、ヒメウズなどがあります。サボテンのようにほとんど降水がなくても生育する植物ほどではないが、かなりの乾燥に耐えます。しかし、過湿には弱く根腐れがおきやすいシュンランなどパルプ根の植物は、水気の多い土を嫌います。