信鴻のガーデニング安永四年1
安永四年の日記にどのような植物が記されているか、また、どのようなガーデニングしていたかを示す。なお、植物名にはガーデニングとは直接関係がないものがあり、判別に迷うが前後の関係や前年までの記述から判断した。
○一月
一月の日記には9日間に植物名の記載がある。また、ガーデニング作業と思われる記述は、11日間ある。それらの中から、記された植物名は21あるものの、植物の種類は13種である。以下、日付順に示す。
「福寿草」は、フクジュソウ(キンポウゲ科)。
「梅」は、ウメ(バラ科)。
「もみ」は、モミ(マツ科)。
「海石榴」は、ツバキ(ツバキ科)。
「もち」は、モチノキ(モチノキ科)。
「南天」は、ナンテン(メギ科)。
「柊」は、ヒイラギ(モクセイ科)。
「もち陀羅葉」は、「もち」と「陀羅葉」と分けた。「陀羅葉」は、タラヨウ(モチノキ科)と推測する。なお、「もち陀羅葉」でタラヨウとしているかもしれないが、判断できない。
「棒樫」は、総称名カシ(ブナ科)。シラカシやアラカシなどを棒状に仕立てたものであると推測する。
「柘植」は、ツゲ(ツゲ科)。
「松」は、総称名マツ(マツ科)。
「楓」は、総称名カエデ(カエデ科)。
「桐」は、キリ(ゴマノハグサ科)。
○二月
二月の日記には14日間に植物名の記載がある。ガーデニング作業と思われる記述は、13日間ある。また、「野蒜・蒲公・土筆」などの春草摘みの記載が10日ある。それらの中から、記された植物名は20あるものの、新たな植物の種類は7種である。以下、日付順に示す。
「万年青樹」は、オモト(ユリ科)とする。
「野韮」は、ノビル(ユリ科)とする。
「蒲公」は、タンポポ(キク科)とする。
「豊後梅」は、ブンゴウメ(バラ科)とする。
「土筆」は、スギナ(トクサ科)とする。
「蜀錦梅」は、ウメの品種と思われるが、詳細は不明。
「風車」は、カザグルマ(キンポウゲ科)とする。
○三月
三月は植物名の記載が増え、ほぼ毎日である。春草摘みの記載は、22日に増えている。ガーデニング作業と思われる記述は、10日間ある。それらの中から、記された植物名は69もあり、新たな植物の種類は24種である。以下、日付順に示したが、確定できない植物「桃李」「八重桜」「菖蒲」の3種る。
「藪柑子」は、ヤブコウジ(ヤブコウジ科)とする。
「青蘿」は、キズタ(ウコギ科)とする。
「水菜」は、ミズナ(アブラナ科)とする。
「車前」は、オオバコ(オオバコ科)とする。
「艾」は、ヨモギ(キク科)とする。
安永四年の日記にどのような植物が記されているか、また、どのようなガーデニングしていたかを示す。なお、植物名にはガーデニングとは直接関係がないものがあり、判別に迷うが前後の関係や前年までの記述から判断した。
○一月
一月の日記には9日間に植物名の記載がある。また、ガーデニング作業と思われる記述は、11日間ある。それらの中から、記された植物名は21あるものの、植物の種類は13種である。以下、日付順に示す。
「福寿草」は、フクジュソウ(キンポウゲ科)。
「梅」は、ウメ(バラ科)。
「もみ」は、モミ(マツ科)。
「海石榴」は、ツバキ(ツバキ科)。
「もち」は、モチノキ(モチノキ科)。
「南天」は、ナンテン(メギ科)。
「柊」は、ヒイラギ(モクセイ科)。
「もち陀羅葉」は、「もち」と「陀羅葉」と分けた。「陀羅葉」は、タラヨウ(モチノキ科)と推測する。なお、「もち陀羅葉」でタラヨウとしているかもしれないが、判断できない。
「棒樫」は、総称名カシ(ブナ科)。シラカシやアラカシなどを棒状に仕立てたものであると推測する。
「柘植」は、ツゲ(ツゲ科)。
「松」は、総称名マツ(マツ科)。
「楓」は、総称名カエデ(カエデ科)。
「桐」は、キリ(ゴマノハグサ科)。
○二月
二月の日記には14日間に植物名の記載がある。ガーデニング作業と思われる記述は、13日間ある。また、「野蒜・蒲公・土筆」などの春草摘みの記載が10日ある。それらの中から、記された植物名は20あるものの、新たな植物の種類は7種である。以下、日付順に示す。
「万年青樹」は、オモト(ユリ科)とする。
「野韮」は、ノビル(ユリ科)とする。
「蒲公」は、タンポポ(キク科)とする。
「豊後梅」は、ブンゴウメ(バラ科)とする。
「土筆」は、スギナ(トクサ科)とする。
「蜀錦梅」は、ウメの品種と思われるが、詳細は不明。
「風車」は、カザグルマ(キンポウゲ科)とする。
○三月
三月は植物名の記載が増え、ほぼ毎日である。春草摘みの記載は、22日に増えている。ガーデニング作業と思われる記述は、10日間ある。それらの中から、記された植物名は69もあり、新たな植物の種類は24種である。以下、日付順に示したが、確定できない植物「桃李」「八重桜」「菖蒲」の3種る。
「藪柑子」は、ヤブコウジ(ヤブコウジ科)とする。
「青蘿」は、キズタ(ウコギ科)とする。
「水菜」は、ミズナ(アブラナ科)とする。
「車前」は、オオバコ(オオバコ科)とする。
「艾」は、ヨモギ(キク科)とする。
「海棠」は、総称名カイドウ(バラ科)とする。
「蕗」は、フキ(キク科)とする。
「蕗」は、フキ(キク科)とする。
「万年青草」は、「万年青樹」をオモトとしていることから、何を指しているか不明。
「春蘭」は、シュンラン(ラン科)とする。
「春蘭」は、シュンラン(ラン科)とする。
「うず」は、トリカブト(キンポウゲ科)とする。
「もつこく」は、モッコク(モチノキ科)とする。
「躑躅」は、ツツジ(ツツジ科)とする。
「早蕨」は、ワラビ(ウラボシ科)とする。
「娵菜」は、ヨメナ(キク科)とする。
「なつな」は、ナズナ(アブラナ科)とする。
「桜」は、総称名サクラ(バラ科)とする。
「けし」は、ケシ(ケシ科)とする。
「柳」は、総称名ヤナギ(ヤナギ科)とする。
「桃李」は、モモとスモモを指すか、それともどちらかを指すかは判断できないため、不明。
「青桐」は、アオギリ(アオギリ科)とする。
「八重桜」は、詳細種が確定できないので、不明。
「もつこく」は、モッコク(モチノキ科)とする。
「躑躅」は、ツツジ(ツツジ科)とする。
「早蕨」は、ワラビ(ウラボシ科)とする。
「娵菜」は、ヨメナ(キク科)とする。
「なつな」は、ナズナ(アブラナ科)とする。
「桜」は、総称名サクラ(バラ科)とする。
「けし」は、ケシ(ケシ科)とする。
「柳」は、総称名ヤナギ(ヤナギ科)とする。
「桃李」は、モモとスモモを指すか、それともどちらかを指すかは判断できないため、不明。
「青桐」は、アオギリ(アオギリ科)とする。
「八重桜」は、詳細種が確定できないので、不明。
「薇」は、ゼンマイ(ゼンマイ科)とする。
「三葉」は、ミツバ(セリ科)とする。
「菖蒲」は、アヤメ(アヤメ科)とする。
○四月
四月も21日に植物名を記載している。春草摘みの記載は、12日と少し減っている。それに対し、ガーデニング作業と思われる記述は、18日ある。それらの中から、記された植物名は40もあり、新たな植物の種類は13種である。以下、日付順に示す。
「銀杏」は、イチョウ(イチョウ科)とする。
「藤」は、フジ(マメ科)とする。
「蝦根」は、エビネ(ラン科)とする。
「擬宝珠」は、キボウシ(ユリ科)とするが、ミズギボウシやオオバギボウシなどの可能性もある。 「菊苗」は、総称名キク(キク科)とする。
「九輪草」は、クリンソウ(サクラソウ科)とする。
「杉葉」は、スギ(スギ科)とする。
「五加」は、ウコギ(ウコギ科)とする。
「山淑」は、サクショウ()とする。
「武蔵あふみ」は、ムサシアブミ(サトイモ科)とする。なお、『牧野新日本植物図鑑』によれば、「関西から西の海に近い地方の林内にはえる多年性草本」とあり、テンナンショウ属のマムシグサなどの植物ではなかろうか。
「くこ」は、クコ(ナス科)とする。
「雰嶋」は、キリシマ(ツツジ科)とする。
「木犀」は、総称名モクセイ(モクセイ科)とする。
「三葉」は、ミツバ(セリ科)とする。
「菖蒲」は、アヤメ(アヤメ科)とする。
○四月
四月も21日に植物名を記載している。春草摘みの記載は、12日と少し減っている。それに対し、ガーデニング作業と思われる記述は、18日ある。それらの中から、記された植物名は40もあり、新たな植物の種類は13種である。以下、日付順に示す。
「銀杏」は、イチョウ(イチョウ科)とする。
「藤」は、フジ(マメ科)とする。
「蝦根」は、エビネ(ラン科)とする。
「擬宝珠」は、キボウシ(ユリ科)とするが、ミズギボウシやオオバギボウシなどの可能性もある。 「菊苗」は、総称名キク(キク科)とする。
「九輪草」は、クリンソウ(サクラソウ科)とする。
「杉葉」は、スギ(スギ科)とする。
「五加」は、ウコギ(ウコギ科)とする。
「山淑」は、サクショウ()とする。
「武蔵あふみ」は、ムサシアブミ(サトイモ科)とする。なお、『牧野新日本植物図鑑』によれば、「関西から西の海に近い地方の林内にはえる多年性草本」とあり、テンナンショウ属のマムシグサなどの植物ではなかろうか。
「くこ」は、クコ(ナス科)とする。
「雰嶋」は、キリシマ(ツツジ科)とする。
「木犀」は、総称名モクセイ(モクセイ科)とする。