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大江戸野菜事情・続及び捕捉

大江戸野菜事情・続及び捕捉 ・「取りたて」が並ぶ江戸の食卓 初物人気と並んで中後期の江戸野菜の大きな特徴は、唐来物の普及である。例えば大衆料理キンピラゴボウに欠かせないトウガラシ、目黒名物タケノコも、登場したのは十八世紀の末と遅いが、季節感と歯ごたえの良さでたちまち受け入れられた。「このカボチャ野郎」などと悪口の材料にもなったカボチャも寛永以降の新種である。栽培が簡単で日持ちがよく、栄養に富んでいて腹の足しになるということで瞬く間に大衆野菜として普及した。また、「甘薯先生」の…

大江戸野菜事情

大江戸野菜事情 ・将軍家御用達の野菜畑 「江戸っ子の初物食い」「江戸の食い倒れ」などという言葉を聞くと、江戸の住民たちもなかなかのグルメだったように思われるが、初期のころの江戸の食糧事情は必ずしも良好なものではなかった。家康の入城、続く徳川幕府の成立によって、江戸は一躍天下の大城下町となったものの、当初はまだ戦国時代の気分が随所に残っており、食生活も極めて質素だった。そして、それはまだ京都のような洗練された調理技術が発達していなかったこともあったが、第一には都市の巨大な胃袋を…