江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)279
戦中下の大衆演劇
凡例
新聞は発行日。日記は記載日
Aは東京朝日新聞朝刊・aは夕刊
Yは読売朝日新聞朝刊・yは夕刊
Hは東京日日新聞朝刊・hは夕刊
kiは岡本綺堂の日記
taは高見順の日記
kaは永井荷風の日記
roは古川ロッパの日記
昭和十六年(1941年)の演劇関連事象
2月11日 李香蘭が日劇に初出演・観客が殺到して警官が出動
4月19日 歌舞伎座、観客入口雑沓。劇場の混雑は数寄屋橋日本劇場のみにあらずka
4月24日「髪のある天使」有楽座靖国神社臨時大祭の遺族招待マチネー。ro
7月20日「上海のロッパ」など有楽座大入りro
11月1日「あさくさの子供」「ロッパの軽音楽」など有楽座大満員ka
12月23日 新橋演舞場千秋楽の文楽満員ro
12月28日「吉本芸道大会」東宝劇場大入満員ro
12月28日 柳家金語楼一座 日劇ro
昭和十七年(1942年)の演劇関連事象
1月 「四十七分忠臣蔵」「わが家の幸福」有楽座正月中満員ro
3月15日「お島千太郎」東宝劇場長谷川一夫と山田五十鈴の新演伎座旗揚げ公演大入ro
3月18日「東京踊り」国際劇場他連日盛況Y
4月17日「若サクラ散りぬ」「新婚歌日記」有楽座満員ro
7月29日 東宝映画芸能音楽会第二日有楽座よく入っているro
7月 「フクちゃん」「戦争と音楽」有楽座
8月 「新釈四谷怪談」常盤座
8月15日「母子草」他明治座好評につき日延べy
9月1日「叔父さん風呂へ行く他」金龍館
9月2日「スラバヤの太鼓」「男の花道」有楽座初日からよく入っている
10月2日 オペラ館の軍歌剣劇面白きところも無けれど見物相応の入ka
10月8日「歌うロッパ」「園芸百科事典」日劇千秋楽まで満員ro
12月8日 木挽町の歌舞伎座で陸軍に感謝する会は超満員ki
12月13日 芝居は超満員、食堂はどこも「売り切れ」ki
昭和十八年(1943年)の演劇関連事象
1月2日「猿飛佐助など」有楽座大満員ro
1月8日「水の江滝子公演」邦楽座連日満員御礼Y
1月28日「汪精衛他」帝国劇場の新国劇連日満員y
2月3日 東京府内の映画館劇場交代で月二回の節電休館を始める
2月5日「愉快な音楽会他」邦楽座満員御礼Y
3月6日 この比公園の興行場午後より夕方近くいづこも満員大入ka
3月11日「桃太郎」東宝劇場や「撃ちてし止まむ」帝国劇場陸軍記念日無料招待満員ro
3月14日「桃太郎」東宝劇場入りは平均五十六パーセントro
4月14日「南方だより」「父と大学生」「ロッパ捕物帳」有楽座大満員ro
4月 四月市内の映画や演劇が大盛況ro、ka(七日)
5月1日「僕の自叙伝他」浅草松竹座
5月7日「交換船」「猿飛佐助」有楽座大満員ro
6月20日 歌舞伎を見るki
6月 「バランガ」「映画の世界へ」有楽座ほぼ大満員ro
6月27日 有楽座六月が此の好成績は意外ro
7月23日「芋と官軍他」有楽座今夜も大満員ro
10月6日「都会の船」他帝国劇場好評絶賛y
10月7日「おばあさん」有楽座ro
10月27日 東宝劇場新国劇と歌舞伎座六代目当たり、その他はよくなかったro
昭和十九年(1944年)の演劇関連事象
1月 ムーラン・ルージュは作文館と改称
1月2日「初笑五十三次」「歌う紙芝居」有楽座夜の部二十日まで売り切れro
1月14日 歌舞伎座新春興行 東京劇場(水谷八重子)明治座(天の綱島)新橋演舞場(曽我廼家五郎)東京宝塚劇場(雪組)帝国劇場(新国劇)広告a
2月 「バリ島」日劇
2月1日 寿劇場へ行く、満員na
2月11日「義経の」の後藤米のところ歌舞伎座ki
2月14日 広い歌舞伎座は満員だna
3月1日 各劇場は早くも閉鎖a高級劇場の閉鎖は五日からと決められていたが、松竹と東宝系の劇場は、一日から休業した。一日の新橋演舞場、『さんまと兵隊』『てのひら』初日八分の入り。明治座(幸四郎・仁左衛門)、邦楽座(新生新派)も開場するが、惨憺たる入り。宝塚劇団、休演のためファンが殺到する
6月9日「突貫駅長・明日赤飯」浅草松竹A
8月26日「瞼の母」新宿第一劇場好評A
9月16日「日本の河童他」大勝館満員御礼A
9月 検閲が進む演劇にマイクロホン禁止、楽屋のドアは鉄として回収
9月19日「波止場」「宝船」江東劇場満員の連続ro
9月23日「山雀物語」東横映画劇場榎本健一一座大好評A
9月28日 「超高速でお芝居や音楽」移動演劇隊が作られるA
10月4日「船弁慶」新橋演舞場大好評A
10月6日「女の子いる波止場」邦楽座大好評A
10月7日 新宿第一劇場初日一時開演、軽く満員ro
10月14日 ロッパ陸軍の慰問で歌舞伎座へ。新宿第一劇場に戻ると満員ro
10月17日「歌と兵隊」新宿第一劇場大満員ro
11月2日「親分子分他」浅草松竹新劇物大好評A
11月27日 東宝現代劇を見に東横映画劇場へro
12月29日 今日より東横の正月公演前売開始、中々成績よく、行列ro
昭和二十年(1945年)の演劇関連事象
1月4日「初春一番手柄等」東横映画劇場九日まで大満員ro
1月16日「鏡獅子、雪曙誉赤垣」新橋演舞場ta
3月9日「突貫駅長」「歌と兵隊」東横映画劇場初日ro
3月10日 東横映画劇場に出ると客が大分立っている、中止決定し払戻しro
3月19日 東横映画劇場興行、所轄署の意向で十四日帰り初日、十九日月曜日大入満員ro
3月30日 地獄の省線に乗って大満員の東横映画劇場、日劇が劇場として開くro
4月1日 入場料に二倍の税(2円の芝居が6円)東横映画劇場はそれでも関係なしro
4月12日 焼け残った電気館と帝国館が無料興行をはじめると満員ro
5月2日「義経千本桜」新橋演舞場一等4円50銭に税9円ro
5月 浅草では電気館、常盤館、千代田館、木馬演芸場など14館が開館ro
5月7日 有楽町の邦楽座へ入ると、大満員ro
5月7日 七日閉鎖した大劇場が低料金の大衆興行
5月19日 日比谷公園野外音楽会に何千もの人々訪れたが放置されたA
6月30日 映画や演劇どしどし再建 街や職場へうるおいの進出A
6月16日「縁談十五分前」「無法松の一生」花月劇場の前には行列、その他劇場では、大都座が小林千代子一座、常盤座が杉山昌三九、金竜劇場が木戸新太郎一座の興行
7月16日 渋谷駅前の空き地で街頭慰問 何千人も集まっていたro
7月20日 新橋駅前で街頭演奏約一万人位ro
7月23日「姿三四郎」邦楽座ro
8月1日「男の海」邦楽座