2020-01-01から1年間の記事一覧
江戸・東京庶民の楽しみ 153 天皇即位に盛り上がる大正四年後半 この年は、明治から大正へとの区切りとなる。 ・七月「避暑地としての湘南半島 消夏の人を待つ」十六日付讀賣 市民は、積極的に避暑・納涼活動をはじめた。新聞を見ても、海水浴場開き関連の記…
江戸・東京庶民の楽しみ 152 レジャー気運が高まる大正四年前半 大正四年、不安定な政府ではあったが中国に経済的権益を求める「二十一カ条」を要求。世界大戦よってヨーロッパ諸国のアジア進出が弱まり、アジア市場を日本が制し、国内の経済が動きだことに…
江戸・東京庶民の楽しみ 151 松井須磨子で盛り上がる大正三年後半 人気女優・松井須磨子の演劇は一世を風靡し、劇中歌「カチューシャの唄」が大流行。その他の流行として、「マックロ節」、大正琴などがある。十二月に東京駅の開業、参戦した日本軍の青島陥…
江戸・東京庶民の楽しみ 150 東京大正博覧会で賑わいを取り戻す大正三年前半大正三年、シーメンス収賄事件の暴露から、政局は混迷を深めるばかり。八月に第一次世界大戦が始まる。日本経済は、一時的にせよパニック状況におかれた。 不況の中、三月には東京…
江戸・東京庶民の楽しみ 149 大正二年後半、景気は下降で娯楽も停滞・七月「有栖川宮斂葬日」「謹んで休業 淋しい浅草」十八日付東朝 七月、藪入りの日は暑い一日。一本4銭の扇を手にした小僧さんたちが大勢、上野や浅草へ繰り出した。上野三橋のお閻魔様の…
江戸・東京庶民の楽しみ 148 大正二年は不景気でも娯楽はそれなりに 大正二年の事件としては、二月に護憲派の民衆が議会を取り巻き、桂首相は内閣を総辞職する。この総辞職は「大正の政変」とされ、藩閥政治がおわり、あらたな政治の始まりを期待させた。し…
江戸・東京庶民の楽しみ 147 新しい時代に入り娯楽は自粛 1912年は、日露戦争が終わって六年目だが、戦争による国民の疲弊はまだ残っていた。それでも東京は、首都として日進月歩の勢いで変化していた。市民は日々の生活に追われながらも、変わり行く街…
江戸・東京庶民の楽しみ 146明治の遊び・娯楽を考える 欧米の文化を積極的に取り入れ、文明開化を押し進めた明治時代、東京市民は、はたして江戸の庶民より幸福だっただろうか。遊び・娯楽から見ると、必ずしも文明開化の恩恵を受けたとは言いがたい。特に下…
江戸・東京庶民の楽しみ 145明治時代の庶民の楽しみの変遷 明治時代に入り、江戸っ子は東京市民になっても、そのままのびやかに遊んでいた。特に行楽活動は、憂さ晴らしのようなストレス解消ではなく、心を晴れやかにする「延気(きのばし)」、心の皺を伸ば…
江戸・東京庶民の楽しみ 144明治後期の庶民レジャー・日清・日露戦争で縮む後期のレジャー 我が国は、明治二十年代半ばから、富国強兵策が軌道に乗りはじめた。国内産業は、繊維工業をはじめとして重工業、化学工業が成立、産業革命が展開された。日本の産業…
江戸・東京庶民の楽しみ 143大衆レジャーが本格的になる四十五年一月孫文臨時大総督就任/七月明治天皇崩御、大正元年改元・市電のストライキでも賑わう初詣 元旦は、大晦日から続いている市電のストライキに、年始や初詣の足を奪われた。それでも混雑する山…
江戸・東京庶民の楽しみ 142四十四年頃から徐々に変わる遊び一月大逆事件被告24人に死刑判決/九月平塚らいてうら青鞜社結成・飛行船見物に四万人殺到 国技館が完成し、相撲人気も盛り上がってはいるものの、あいかわらず相撲協会内ではごたごたが続いている…
江戸・東京庶民の楽しみ 141盛んに遊ぶ四十三年五月大逆事件検挙開始/八月日韓併合/十一月白瀬中尉南極探検に出発・金のかからぬレジャーが盛ん 市内の人口は、全人口の一割以上にあたる18万人が増加し180万人になった。しかし、劇場や寄席などの観客…
江戸・東京庶民の楽しみ 140大恐慌四十二年の娯楽四月種痘法公布/十月伊藤博文ハルビンで暗殺・大恐慌下の市民レジャーはさほど変わらず 東京は大恐慌である。市内の人口は寄留人口を整理して53万人と、約25%も減少し163万人になった。これは、帳簿…
江戸・東京庶民の楽しみ 139不況でも四十一年の娯楽は盛況六月赤旗事件/十月戌申詔書/十一月高平ルート協定成立・不景気でも劇場はどこも大入り 銀行の支払い停止が前年から続いているような状態で、景気はさらに悪化していた。しかし、大衆のレジャーは前…
江戸・東京庶民の楽しみ 138四十年戦後不況でも庶民娯楽は盛況二月足尾鉱山で暴動/七月第三次日韓協約調印・戦争恐慌下の東京勧業博覧会 一月、東京株式市場の相場が暴落し、日露戦争後の恐慌がはじまった。不況は労働争議を激化させ、この年は、全国で16…
江戸・東京庶民の楽しみ 137戦争の後を引く三十九年の庶民娯楽三月鉄道国有法公布/十一月南満州鉄道株式会社設立・戦後の落ち着きを示す行楽の人出 元旦の読売新聞には、お楽しみとして、劇場や寄席のプログラムが掲載されている。16劇場のうち14座が芝…
江戸・東京庶民の楽しみ 136戦勝に酔えない三十八年の庶民娯楽一月旅順のロシア軍降伏/五月日本海海戦/九月日露講和条約締結・戦争に勝ったけど・・・ 正月二日、旅順陥落の朗報が入る。三日の新聞には、戦勝の余響で初出も景気がよさそうと、書かれている…
江戸・東京庶民の楽しみ 135娯楽も戦時色の三十七年二月日露戦争勃発、日韓議定書締結/三月旅順で広瀬中佐戦死・日露戦争下のレジャー事情 前年より新聞は政府の意を受けて、強硬外交論を唱え、開戦へと世論を誘導した。大衆の対悪露感情を悪化させることに…
江戸・東京庶民の楽しみ 134三十六年の娯楽に感じる忍び寄る戦争四月政府対露方針決定/十月小村外相とローゼン露公使の交渉開始・人気役者が消え、客離れの進む歌舞伎 この年、二月に五代目尾上菊五郎が死去、後を追うように九月には九代目市川団十郎が世を…
江戸・東京庶民の楽しみ 133明治三十五年に忍び寄る不景気の娯楽一月八甲田山で青森歩兵第五連隊遭難/日英同盟調印・上野動物園は賑わうが停滞気味の市民の行楽 一月、上野動物園にドイツのハーゲンベック動物園からライオンとホッキョクグマなどが新たに入…
江戸・東京庶民の楽しみ 13220世紀に入るも変わらぬ庶民の娯楽二月福沢諭吉死去/五月社会民主党結成も2日で禁止/六月星亭暗殺・二十世紀を迎えるエリートの祭 明治三十四年は、イコール西暦2001年と、ここからは二十世紀を迎える。慶応義塾では、「十…
江戸・東京庶民の楽しみ 131三十三年頃から徐々に盛り上がる娯楽五月皇太子成婚式/六月義和団事件で日本出兵/九月立憲政友会結成・平和を反映し市民のレジャーは盛り上がる 浅草は、元旦から大勢の人々が訪れている。当時、市民の間で、三箇日に観音さまを…
江戸・東京庶民の楽しみ 130多様化が進む娯楽に三十二年頃から取締三月義和団事件勃発/七月明治天皇、東京帝国大学卒業式で銀時計授与・盛んになる行楽活動にしのび寄る取締り 東京の町は、日清戦争から五年たって、ようやく落ち着きを取りもどし、庶民も正…
江戸・東京庶民の楽しみ 129不景気明治三十一年の娯楽様相六月隈板(わいはん)内閣成立/八月尾崎行雄の共和演説/十二月地租増徴案成立・不景気で行楽の人出も今一つ 亀戸妙儀の初卯は、天気に恵まれ大勢の人が出たが、財布の紐は固く飲食店の売り上げはの…
江戸・東京庶民の楽しみ 128明治三十年に始まる映画という娯楽 三月足尾鉱毒被害者二千人上京/十月金本位制度実施・活動写真が始まる 真偽のほどはともかく、明治30年以前にも活動写真が東京で行われ、喝采を博したが経費倒れになったという話がある。し…
江戸・東京庶民の楽しみ 127明治の遊びが始まる中期 明治中期に生きている人の多くは、江戸時代に生まれた人たち。政治を担っているのは全て江戸時代に教育を受けた人たち。江戸時代との決別を目指しているわけだが、人はそんなに容易に変われるものではない…
江戸・東京庶民の楽しみ 126二十九年の上流階層と庶民の遊び三月進歩党結成/六月山県・ロバノフ協定調印、三陸地方に大津波・「ある女の日記」に見るささやかな楽しみ 明治二十九年頃、庶民がどのようなレジャー活動をしていたか、個人の日記『ある女の日記…
江戸・東京庶民の楽しみ 125戦争に便乗した二十八年の娯楽 四月日清講和条約調印、三国干渉/十月閔妃暗殺・戦勝に浮かれるが市民の娯楽は尻すぼみ 日清戦争は、国民皆兵、国力のすべてをかけて戦う。したがって、傍観者的な行動は許されない。だが、外国と…
江戸・東京庶民の楽しみ 124二十七年には娯楽にも戦時気分が 三月朝鮮で東学党の乱/七月条約改正なる/八月日清戦争勃発・戦争に向かっても、市民レジャーは変わらず 一月の新聞に、前年設立された日本輪友会が上野から王子方面に郊外サイクリングを実施し…