2015-01-01から1年間の記事一覧
『花道古書集成』の花材の呼称名1 総称名について 『花道古書集成』全五巻に記された、『仙傅抄』『池坊専應口傳』『替花傳秘書』『立花初心抄』『立花大全』『立花正道集』『抛入花傳書』『立花指南』『立花秘傳抄』『立花便覧』『古今茶道全書二』『當流…
自然保護のガーデニング19 江戸時代の自然が消える!? 明治になって、日本の自然が急激に改変していった(破壊された)のは、次の二つの要因によるものと考えられる。一つは、人間による直接的な自然破壊、もう一つがオオカミの絶滅などによる生態系の変化で…
和のガーデニング 17 冬の草花 十二月に入ると、草花の大半は枯れ、地上から消えてしまう。冬の庭に咲く花としては、ウメやスイセンなどが定番となる。それに加えて花とはいえないが、胞子をつける葉が花のように見えるフユノハナワラビがある。また、茎から…
自然保護のガーデニング17 2002年(平成14年)6月30日(日曜日)毎日新聞朝刊の書評を示します。 日本流の自然保護 明治以降、西欧へでかけた日本人たちは、西欧の自然科学を驚異の眼差しを持って礼賛し、いわば盲目的に自然保護や森林の造成管理など…
自然保護のガーデニング16 自然を守った先人の知恵 入会利用は、村と村の争いを起こし、血なまぐさい戦いまで引き起こした。しかし、村の中での入会利用は、現代の我々が想像する以上に民主的かつ平等であった。それは、対外的には非常に厳しく対応したため…
晩秋の草花 十一月の花としては、十月からまだ咲いているシロヨメナ・ナンバンギセル・フジバカマ、時折咲くシロバナタンポポ、ハマナデシコに加えて、イソギク・カントウヨメナ・ノジギク(リュウノウギク)・ツワブキ、これから咲き始めるスイセンなど花の…
自然保護のガーデニング15 人手の入らぬ土地はない シーボルトは、「五月は、若々しい緑にもえて若いムギが丘をなした畑で希望にみちて立ち上がり、ほんの最近耕したばかりの畑を黄金の縁で飾っていた早熟のナタネは、色あせて重い茎を垂れる。勤勉な農夫は…
自然保護のガーデニング14 世界一美しい江戸の自然 幕末に訪れたスイス領事のルドルフ・リンダウは、江戸の町が数多くの公園や庭園で埋め尽くされているため、遠くから見ると無限に広がる一つの公園のような感じを受けるという見方を示した。いわく「江戸は…
秋の草花 十月に入ると、日を追って咲いている花の種類は少なくなる。花が終り結実し、地上部が枯れ始める季節である。この頃から十二月の初めにかけては、宿根草の株分けに適した季節である。株分けに際しては、根の張り方や太り具合を確認し、以後の管理を…
自然保護のガーデニング13 ガーデニングでつくられた自然 江戸は、当初から豊かな自然に恵まれていたのだろうか。家康が入国した当時は、城の東側一帯に潮のつかる低湿地が広がり、西南側に広漠とした葦原があったという記述がある。この描写には、多少、誇…
初秋の草花 夏の暑さは、年々厳しくなっている。例年なら、炎天下にもよく耐えるツリガネニンジンやワレモコウなども、近年は枯れそうなくらいに弱る。酷暑は山野草にも影響を与え、そのせいか秋の花の開花が遅くなっているのではないかと思われる。九月は、…
『花道古書集成』第五巻の花材 『活花圖大成』 『活花圖大成』は、『華道古書集 第一期第五巻』の最初の書で、吉尾泰雅によって作成され寛政元年(1789)に刊行された。花材は、二巻に分けられた77図に70程記されており、その内60種を現代名にした。新しい種…
『花道古書集成』第四巻の花材 『瓶史述要』 『華道古書集 第一期第四巻』の最初の花伝書は、明和七年(1770)に刊行された『瓶史述要』である。『瓶史述要』は、新たな花材がなく、花材数が少ないので検討(現代名の確定、茶花との考察などは、花材数が50程…
『花道古書集成』第三巻の花材 『抛入岸之波』『生花正意四季之友』 『華道古書集成 第三巻』の最初に、『抛入岸之波』がある。『抛入岸之波』は元文五年(1740)に「初春筆を雪窓の下に揮」とあり、寛延三年(1750)刊行とされている。この書は、『華道古書…
『花道古書集成』第二巻の花材 『花道古書集成』第一巻に続く、第二巻の花材名の現代名を示す。えようと試みた。なお、現代名の判別は第一巻と同様に行い、初見等の検証も同様の資料にて行なった。 『立花秘傳抄』 『華道古書集成』第二巻の目次には、最初の…
『花道古書集成』第一巻の花材その2 『百瓶華序』 『百瓶華序』は、「百瓶華序に就いて」によれば「百瓶華會は慶長四年の秋十月十六日・・・開催された・・・慶長五年に書かれたもの」とある。『百瓶華序』には60種程の植物が記され、これらの花材を『明治…
『花道古書集成』第一巻の花材その1 『花道古書集成』には、多くの花材名が記されている。ただ、その名は当時の呼称であり、現代の植物名とは違う。そこで、花道古書(花伝書・花道書)の花材を現代名に置き換えようと試みた。なお、花伝書の成立や刊行年代…
盛夏・東京オリンピックの草花 2020年8月、東京オリンピック・パラリンピックの開催時には、ぜひ外国から訪れた人々を「日本の花」で「おもてなし」したい。世界各国から集まるオリンピックは、日本の「花」を全世界にアピールする絶好の機会でもある。日本…
自然保護のガーデニング12 2002年8月2日発行『週刊朝日』-「新書漂流29」の永江朗氏の書評を示します。 「日常的に具体的な自然に触れていない人」が圧倒的に増えてしまった日本。そのような中で 「日常的に具体的な自然に触れていない人が、自然保護を…
自然保護のガーデニング11 望まれる「わかりやすい自然」 1993年、世界遺産に登録された白神山地のブナ林を見るために、秋田県の八森町側から入った。林道を進めど進めどなお、スギ林が続き、なかなか白神山地のブナ林に着かない。山の山頂部、尾根近くに…
続華道古書集成の植物 第五巻 『花ふ』 『花ふ』は、解題によれば「筆写本・・・本文は宣阿弥が先師の伝を書写して廊坊犬部卿に授げた直筆の秘書である・・・内容は、花の譜(・・・秘伝・・・)とその花の絵を記した・・・巻物・・・天文時代の自筆花伝書」と…
夏の草花 カワラナデシコ、キキョウ、ノカンゾウ、ハンゲショウ、フシグロセンノウ 梅雨明けはその年によって違うが、花は毎年同じような時期になると咲き始める。。草取りを考えると、七月に入っての長雨は、気温が高いこともあって、枝葉が著しく繁茂し困…
自然保護のガーデニング10 自然保護に関心のある方には、ぜひ『天神崎』を読んでいただきたい。その『天神崎』の著者、中村豊秀氏との話で、意気投合したのは自然保護団体と学者についてである。『自然保護のガーデニング』は「自然保護団体の限界」の中で、…
続華道古書集成の植物 第四巻その2 『千流花之秘書』 『千流花之秘書』は、解題によれば「写本・・・天明五年・・・書写者によってさらに書き加えられたものと考えられる」とある。『千流花之秘書』には60程の花材が記され、そのうち49を現代名にした。これ…
自然保護のガーデニング9 天神崎ナショナルトラストの嘘と実 1974年頃から1985年頃にかけて、マスコミを賑わせた和歌山県・天神崎のナショナル・トラスト運動について、皆さんはどの程度ご存じだろうか。この運動について作家の中村豊秀氏は『天神崎』(国…
梅雨の草花 オカトラノウ、クガイソウ、コシジシモツケ、ソバナ、トリアシショウマ 山野草の植栽(特に植え替え)時期としては、四月から梅雨に入る直前を薦めたい。鉢植の場合は、根の動き出す直前か、根が休眠している時期が最適とされている。たが、ここ…
続華道古書集成の植物 第四巻その1 『仙傳抄』 『仙傳抄』は、解題によれば「『仙傳抄』東洋文庫蔵。古活字版。一冊。元和頃に刊行。整版本である寛永二十年刊の『仙傳書』は『花道古書集成』の第一巻に「仙傳抄」の書名で収まる。しかし、本書の古活字版は…
自然保護のガーデニング8 自然保護のむずかしさ 尾瀬は日本の自然保護問題を象徴する場所である。戦前戦後にかけてのダム開発、その後の自動車道路観光開発、そして現在進みつつある過剰利用など、それぞれの時代の社会的な背景を如実に反映している。ここ…
初夏の草花 エビネ、タツナミソウ、チョウジソウ、ヒメカンゾウ 五月に咲く草花(東京周辺)を紹介すると、まずアヤメ類(イチハツ、カキツバタ、ハナショウブ等)、エビネ、クリンソウ、シャクヤク、シラン、セキチク、セッコク、タツナミソウ(コバノタツ…
行春の草花 クマガイソウ・ヤマシャクヤク・ヤマブキソウ・ラショウモンカズラ 四月は三月から咲いている花に加えて、イカリソウ・キランソウ・キンラン・クマガイソウ・サクラソウ・ヒメウズ・ヤマシャクヤク・ヤマブキソウ・ラショウモンカズラなど様々な…