2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

江戸時代の椿 その9

江戸時代の椿 その9 ★1740年代(元文~寛保~延享~寛延年間)『庶物類纂』の椿 ・『庶物類纂』 『庶物類纂』は、加賀金沢藩の儒医・稲生若水、その弟子丹羽正伯らが編纂した博物書。延享四年(1747)、八代将軍徳川吉宗の命を受け丹羽正伯らによって完…

茶庭 19 小堀遠州その4

茶庭 19 小堀遠州その4 小堀遠州作の庭園その2 ・明正院御所 小堀遠州ならではの庭園デザインは、明正院御所の庭に展開されていると思う。優雅な曲線ではなく、直線をふんだんに駆使する造形である。日本の庭園といえば築山泉水、というパターンが今でも浸…

江戸時代の椿 その8

江戸時代の椿 その8 ★1730年代(享保~元文年間) 『地錦抄附録』『続江戸砂子』『本草花蒔絵』の椿 ・『地錦抄附録』 享保十八年(1733)、東武江北染井・伊藤伊兵衛は、『地錦抄附録』を刊行した。『花壇地錦抄』や『広益地錦抄』から漏れた花卉と薬…

茶庭 18 小堀遠州その3

茶庭 18 小堀遠州その3 小堀遠州作の庭園 遠州ならではの独創性が発揮されたのは、建築より庭においてである。その理由としては、建物をデザインする際に行事や儀式に使われるため、また以前からの伝統や様式もあり、デザインの自由度は制限さることが考え…

江戸時代の椿 その7

江戸時代の椿 その7 ★1720年代(享保年間) 『槐記』『用薬須知』『百花椿名寄色附』の椿 ・『槐記』 1720年代のツバキとして、『槐記』の茶会に記された茶花を示す。なお、『槐記』は、近衛家煕の侍医山科道安が家煕の言行を集めたもので、享保九…