沖縄の戦況・日々に困難

江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)443

沖縄の戦況・日々に困難

 十四日の読売新聞は「沖縄の戦況・日々に困難」「東西に敵の侵出急 皇軍血沫く死闘続行「敵基地拡充に狂奔す」と、絶望的と感じるような戦況を伝える。よく「日々に困難」という表現を掲載できたか、これまでから考えると信じがたい。

 二面に「〝父の死〟乙女泣かず 沖縄義勇隊・鮮血に築く魁け」。「〝梅雨将軍〟と戦う」「恨み深し〝雲の壁〟 腕を撫す猛鷲 沖縄の仇は本土上空」との記事。また、全軍に布告として、単機B29八機を屠るとの殊勲を示す。そして「大漁 浜に勇士のお手伝」と、唯一の明るい記事が写真入りで載る。

 朝日新聞は「沖縄県民の血闘に学べ」と、沖縄の民間人が戦ったということを、初めて言及したと思われる。ただ、県民の被害に関する情報は、全く触れていない。戦いによる悲惨な状況が、もし本土の国民に伝わっていれば、翌日十五日付の一面に「本土決戦こそ最好の戦機」などと書くことは出来ないと思う。この日も戦果は記されず。

 また二面には、「君にも到達出来る あの神鷲の境地 特攻は必勝新年の権化」とある。