2023-01-01から1年間の記事一覧

戦捷祝いに託つけて遊ぶ十二年の夏

江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)231戦捷祝いに託つけて遊ぶ十二年の夏 七月初めの蘆溝橋事件から支那事変がはじまった。戦争は短期で解決するとの甘い見通しが、その後は泥沼の太平洋戦争へと陥ることになる。東京を初め全国で戦時色が強くなり、生活全…

神風号で持ちきりの十二年の春

江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)230神風号で持ちきりの十二年の春 この年の春は、“神風号”(九七式司令部偵察機)で持ちきりであった。神風号は昭和十二年四月六日、立川飛行場からロンドンへ15,357kmの飛行を、十二日に着陸し成功させた。国産の飛行機に…

好景気に釣られる十二年の冬市民レジャー

江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)229好景気に釣られる十二年の冬市民レジャー 昭和十二年、一月に広田内閣総辞職、二月に成立した林内閣は三月に衆議院議員を解散する。四月の選挙で政府側が議席を減らし五月に林内閣総辞職、六月に近衛内閣が成立し、政…

再び盛り上がる十一年秋の市民レジャー

江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)228再び盛り上がる十一年秋の市民レジャー 十月四日「オリムピツク本隊帝都へ凱旋」と見出し、「入京の雄姿」と東京駅前行進など3枚の写真を掲示している。日の丸の旗を先頭に、まるで軍隊行進の様相を伝えている。昭和…

オリンピックで沸き上がる十一年夏の市民

江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)227オリンピックに沸き上がる十一年夏の市民 二・二六事件の翌日に出された戒厳令が七月十八日に解除されると、防空演習が実施された。八月には軍部支配を助長する「国策の基準」を決定した。国策の基準とは、広田内閣が…

政況や戦争には無関心の春の市民レジャー

江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)226政況や戦争には無関心の春の市民レジャー 三月に成立した広田内閣は、メーデーを禁止する。五月には、軍部大臣現役制復活(軍部大臣の就任資格を現役の大将・中将に限定する制度)を認める。これによって、内閣は陸軍大…