茶花と花材の植物名その8

茶花と花材の植物名その8
サンシュユ(ミズキ科)・・・種名
山茱茰=サンシュユ・・・『古流活花四季百瓶図』1778年(安永七年)に記される。
三しゆゆ=サンシュユ・・・『酒井宗雅茶会記』1787年天明七年)に記される。
サンショウ(ミカン科)・・・種名・・・サンショウの初見→古事記712年
さんせう=サンショウ・・・『川上不白利休二百回忌茶会記』1783年(天明三年)に記される。
 
サンショウバラバラ科)・・・種名・・・サンショウバラの初見→古事記712年
さんせうはう=サンショウバラ・・・『川上不白利休二百回忌茶会記』1782年(天明二年)に記される。
 
シオン(キク科)・・・種名・・・シオンの初見→古今和歌集914年頃
しおん=シオン・・・『仙傳抄』1445年(文安二年)に記される。
紫苑=シオン・・・『池坊専應口傳』1542年(天文十一年)に記される。
しをに=シオン・・・『立花正道集』1684年(天和四年)に記される。
紫薗=シオン・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
之於彌=返魂草=おにのしこくさ=ひとしくさ=シオン・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
 
シキミモクレン科)・・・種名・・・シキミの初見→万葉集785年前
しきみ=シキミ・・・『立花初心抄』1675年(延宝三年)に記される。
 
シクンシ(シクンシ科)・・・種名
使君子=シクンシ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
 
シジミバナバラ科)・・・種名
小米花=シジミバナ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
笑靨=シジミバナ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
 
シソ(シソ科)・・・種名・・・シソの初見→尺素往来1481年前
志そのミ=シソ・・・『挿花故実化』1778年(安永七年)に記される。
 
シダ(ウラボシ科)・・・総称名・・・シダの初見→出雲国風土記733年
歯朶=シダ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
しだ=シダ・・・『立花正道集』1684年(天和四年)に記される。
 
シダレザクラバラ科)・・・変種名・・・シダレザクラの初見→散木奇歌集1128年頃
糸桜=シダレザクラ・・・『立花指南』1688年(貞享五年)に記される。
垂絲櫻=シダレザクラ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
しだれ櫻=シダレザクラ・・・『甲陽生花百瓶図』1774年(安永三年)に記される。
垂糸海棠=シダレザクラ・・・『古流挿花湖月抄』1790年(寛政二年)に記される。
 
シダレヤナギ(ヤナギ科)・・・種名・・・シダレヤナギの初見→万葉集785年前
糸柳=シダレヤナギ・・・『古今茶道全書』1693年(元禄六年)に記される。
目斜柳=シダレヤナギ・・・『立花訓蒙図彙』1695年(元禄八年)に記される。
垂絲柳=シダレヤナギ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
 
シノブ(ウラボシ科)・・・種名・・・シノブの初見→本草和名918年頃
しのぶ=シノブ・・・『仙傳抄』1445年(文安二年)に記される。
忍ぶ草=シノブ・・・『池坊専応口』1542年(天文十一年)に記される。
 
シモツケバラ科)・・・種名
シモツケシモツケ・・・『山科家礼記』1492年(延徳四年)に記される。
下野=シモツケ・・・『立花大全』1683年(天和三年)に記される。
しもつけ=シモツケ・・・『立花正道集』1684年(天和四年)に記される。
下津花=シモツケ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
木しもつけ=シモツケ・・・『抛入花薄』1767年(明和四年)に記される。
下毛=シモツケ・・・『抛入花薄精微』1796年(寛政七年)に記される。
 
シモツケソウバラ科)・・・種名・・・クサシモツケの初見→抛入花伝書1684年
草下津花=シモツケソウ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
草しもつけ=シモツケソウ・・・『抛入花薄』1767年(明和四年)に記される。
 
シャガ(アヤメ科)・・・種名・・・シャガの初見→山科家礼記1491年
シヤクワ=シャガ・・・『山科家礼記』1491年(延徳三年)に記される。
射干=しやか=シャガ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
胡蝶草=シャガ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
著我=こやす草=鳶尾草=シャガ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
 
シャクナゲツツジ科)・・・種名・・・シャクナゲの初見→色葉字類抄1181年頃
赤南花=石楠花=シャクナゲ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
さくなんけ=シャクナゲ・・・『立花正道集』1684年(天和四年)に記される。
柘楠花=シャクナゲ・・・『立花指南』1688年(貞享五年)に記される。
風薬=シャクナゲ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
 
シャクヤクキンポウゲ科)・・・種名・・・シャクヤク・の初見→文華秀麗集818年
しやくやく=シャクヤク・・・『仙傳抄』1445年(文安二年)に記される。
芍薬シャクヤク・・・『池坊専應口傳』1542年(天文十一年)に記される。
衣比須須里=ふかみ草=はつか草=かほよ草=シャクヤク・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
 
ジャコウソウ(シソ科)・・・種名・・・ジャコウソウの初見→花壇綱目1664年
水蘇=ジャコウソウ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
 
シャシャンボツツジ科)・・・種名・・・シャシャンボの初見→紀州採薬記1802年
南燭=シャシャンボ・・・『砂鉢生花伝』1775年(安永四年)に記される。
なお、南蜀は南天蜀(ナンテン)の書き違いである可能性がある。
 
シャジン(キキョウ科)・・・総称名
砂参=シャジン・・・『挿花故実化』1778年(安永七年)に記される。
 
ジャノヒゲユリ科)・・・種名・・・ジャノヒゲの初見→諸国産物帳1735~40年
麦門冬=ジャノヒゲ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
 
シュウカイドウ(シュウカイドウ科)・・・種名・・・シュウカイドウの初見→花壇綱目1664年
秋かひとう=シュウカイドウ・・・『金森宗和茶書』1652年(慶安五年)に記される。
秋海棠=シュウカイドウ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
しゆうかいどう=シュウカイドウ・・・『立花便覧』1695年(元禄八年)に記される。
周海堂=シュウカイドウ・・・『抛入花薄』1767年(明和四年)に記される。
櫻珞草=シュウカイドウ・・・『生花百競』1768年(明和五年)に記される。
 
シュウメイギクキンポウゲ科)・・・種名・・・シュウメイギクの初見→文明本節用集1500年頃
秋牡丹=シュウメイギク・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
しやうめいきく=シュウメイギク・・・『川上不白利休二百回忌茶会記』1782年(天明二年)に記される。
きふね菊=シュウメイギク・・・『古流挿花湖月抄』1790年(寛政二年)に記される。
妃野祢きく=シュウメイギク・・・『小篠二葉伝』1787年天明七年)に記される。
 
ジュズダマ(イネ科)・・・種名・・・ジュズダマの初見→古語拾遺807年
びやくじゆつ=ジュズダマ川上不白利休二百回忌茶会記』1782年(天明二年)に記される。
 
シュロ(ヤシ科)・・・種名・・・シュロの初見→本草和名918年頃              
棕櫚=シュロ・・・『立花便覧』1695年(元禄八年)に記される。
 
シュロチク(ヤシ科)・・・種名・・・シュロチクの初見→新刊多識編1631年
志ゆろ竹=シュロチク・・・『小篠二葉伝』1787年天明七年)に記される。
 
シュンギク(キク科)・・・種名
茼蒿=シュンギク・・・『抛入花薄精微』1796年(寛政七年)
茼蒿は、現代のシュンギクと思われる。これ以前の春菊などと記された植物は、春に咲くキクという意味で付けられた名前と思われる。
 
シュンラン(ラン科)・・・種名・・・シュンランの初見→花壇綱目1664年
報春先=シュンラン・・・『挿花千筋の麓』1768年(明和五年)に記される。
蕙蘭=シュンラン・・・『生花百競』1768年(明和五年)に記される。
春蘭=シュンラン・・・『挿花四季枝折』1794年(寛政五年)に記される。
 
ショウガ(ショウガ科)・・・種名・・・ショウガの初見→  新撰字鏡900年頃
しようが=ショウガ・・・『挿花故実化』1778年(安永七年)に記される。
 
ショウブサトイモ科)・・・種名・・・ショウブの初見→蜻蛉日記971年
菖蒲=ショウブ・・・『仙傳抄』1445年(文安二年)に記される。
せうふ=ショウブ・・・『當流茶之湯流傳集』1694年(元禄七年)に記される。
 
ショウマキンポウゲ科)・・・総称名
升麻=ショウマ・・・『砂鉢生花伝』1775年(安永四年)に記される。
 
シラカシ(ブナ科)・・・種名
白樫=シラカシ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
しらかし=シラカシ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。