江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)362
硫黄島の戦闘がさらに激しくなる十六・十七日
三月十六日の朝日新聞は、硫黄島「北沖合に輸船近接 敵の行動活発化 皇軍斬込みで各拠点確保」とある。
清沢は「蒲田駅で憲兵が、紳士風の男を二人、連行している。東京駅前にも憲兵が立っている。戒厳令施行の噂も専らである。いよいよ軍政が現実的になってきたのである。新聞でも、議会でも、『強力政治』を言い、それは日本にては軍政を言うのである。軍的秩序と軍人政治に対する、迷信を見るべきである。」と批判している。
壮絶な戦いの展開を書き始めた十七日
朝日新聞は、硫黄島での「敵損二万五千八百 玉名山突進部隊殆ど戦死」と、両軍の厳しい状況を示している。
ロッパは公演を続けるも、夜中の「二時近く、ブーと鳴った。ラヂオをきく。『敵B29編隊』いけない、洋服を着て、空襲除けのネクタイ締める。子供たちも寝てゐるのを起こされて壕に入る。風は強いし、不安である。・・・九時出る、電車大混雑、座に出ると、今日も亦、とても十時半には開かない、・・・今日は客も悪からう、と思って出てみると、割にいゝ。六七分か。・・・ブーウと鳴り渡り、幕は下りた。舞台へ出てゝのブーは、これが初めて、何のことだ、三十分も経たずに解除。」と安心した。