茶花と花材の植物名その3

茶花と花材の植物名その3
 
ウスノキツツジ科)・・・種名
うすの木=夏ばせ=ウスノキ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
 
ウチョウラン(ラン科)・・・種名・・・ウチョウランの初見→『城和摂諸州採薬記』1817年
岩石蘭=ウチョウラン・・・『源氏活花記』1765年(明和二年)に記される。
 
ウツギユキノシタ科)・・・種名・・・ウツギの初見→新撰字鏡900年頃
うつ木=ウツギ・・・『仙傳抄』1445年(文安二年)に記される。
卯花=ウツギ・・・『池坊専應口傳』1542年(天文十一年)に記される。
楊櫨=波流花=ウツギ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
うのはな=ウツギ・・・『挿花四季枝折』1794年(寛政五年)に記される。
 
ウツボグサ(シソ科)・・・種名・・・ウツボグサの初見→『山科家礼記』1491年
うつぼ草=ウツボグサ・・・『池坊専應口傳』1542年(天文十一年)に記される。
(寀草)=うつぼくさ=ウツボグサ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
うるき=ウツボグサ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
つち草=ウツボグサ・・・『立花便覧』1695年(元禄八年)に記される。
夏籠草=ウツボグサ・・・『攅花雑録』1757年(宝暦七年)に記される。
 
ウバヒガンエドヒガン・アズマヒガン)(バラ科)・・・種名
姥桜=ウバヒガン・・・『立花訓蒙図彙』1695年(元禄八年)に記される。
 
ウバユリユリ科)・・・種名・・・ウバユリの初見→『花壇綱目』1664年
姨百合=ウバユリ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
 
ウメバラ科)・・・総称名・・・ウメの初見→懐風藻705年前
梅=紅梅=コウハイ=ウメ・・・『山科家礼記』1488年(長享二年)
氷肌=玉骨=花兄=花儒者(以上唐名)=初名草=香栄草=風見草=春つげ草=緑の花(以上唐名)=ウメ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
 
ウメガサソウユキノシタ科)・・・種名
變豆菜=ウメガサソウ・・・『美笑流活花四季百瓶圖』1778年(安永七年)に記される。
 
ウメバチソウユキノシタ科)・・・種名・・・ウメバチソウの初見→大和本草1709年
梅ばち=ウメバチソウ・・・『古今茶道全書』1693年(元禄六年)に記される。
 
ウメモドキ(モチノキ科)・・・種名・・・ウメモドキの初見→お湯殿の上の日記1572年
梅嫌=ウメモドキ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
梅もどき=ウメモドキ・・・『立花正道集』1684年(天和四年)に記される。
梅梧=ウメモドキ・・・『華道全書』1717年享保二年)に記される。
梅賽=ウメモドキ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
うめもとき=ウメモドキ・・・『挿花故実化』1778年(安永七年)に記される。
 
ウリ(ウリ科)・・・総称名・・・ウリの初見→日本書紀720年
瓜=ウリ・・・『池坊専應口傳』1542年(天文十一年)に記される。
 
ウルシ(ウルシ科)・・・種名・・・ウルシの初見→日本書紀720年
漆=ウルシ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
 
ウワミズザクラバラ科)・・・種名
虎の尾=ウワミズザクラ・・・『立花訓蒙図彙』1695年(元禄八年)に記される。
 
エゾギク(キク科)・・・種名・・・エゾギクの初見→水谷本草1833年
さつまきく=エゾギク・・・『砂鉢生花伝』1775年(安永四年)に記される。
 
エゾスカシユリユリ科)・・・種名
夷ゆり=エゾスカシユリ・・・『立花指南』1688年(貞享五年)に記される。
 
エニシダマメ科)・・・種名・・・エニシダの初見→草花魚介虫類1697年
金雀花=エニシダ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
ゑにした=エニシダ・・・『生花出生傳圖式』1790年(寛政二年)に記される。
 
エノキ(ニレ科)・・・種名・・・エノキの初見→日本書紀720年
ゑの木=エノキ・・・『仙傳抄』1445年(文安二年)に記される。
 
エノコログサ(イネ科)・・・種名・・・エノコログサの初見→色葉字類抄1181年
犬子草=エノコログサ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
 
エノコロヤナギ(ヤナギ科)・・・種名・・・ネコヤナギの初見→桜川1674年
狗猧柳=エノコロヤナギ・・・『立花大全』1683年(天和三年)に記される。
いのこ柳=エノコロヤナギ・・・『立花正道集』1684年(天和四年)に記される。
水楊=カワヤナギ=エノコロヤナギ・・・『抛入花伝書』1684年(貞享一年)に記される。
ゑのこ=エノコロヤナギ・・・『立花指南』1688年(貞享五年)に記される。
河楊=エノコロヤナギ・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。
エノコロ=エノコロヤナギ・・・『反古庵茶之湯留書』1691年(元禄四年)に記される。
狗子柳=エノコロヤナギ・・・『挿花千筋の麓』1768年(明和五年)に記される。
豕子柳=エノコロヤナギ・・・『活花圖大成』1789年(寛政元年)に記される。
さるこ柳=エノコロヤナギ・・・『挿花秘傅伝圖式』寛政十年(1799)に記される。
 
エビネ(ラン科)・・・種名・・・エビネの初見→『山科家礼記』1491年
他偸草=エビネ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
えぴね=エビネ・・・『立花正道集』1684年(天和四年)に記される。
ゑび子=エビネ・・・『華道全書』1717年享保二年)に記される。
海老根=エビネ・・・『活花圖大成』1789年(寛政元年)に記される。
 
エンコウスギ(スギ科)・・・種名
ゑんかう杦=エンコウスギ・・・『挿花秘傅伝圖式』寛政十年(1799)に記される。
 
エンドウマメ科)・・・種名・・・エンドウの初見→色葉字類抄1181年
豌豆=エンドウ・・・『砂鉢生花伝』1775年(安永四年)に記される。
 
オウバイ(モクセイ科)・・・種名・・・オウバイの初見→山科家礼記1488年
ワウハイ=オウバイ=ワウ梅・・・『山科家礼記』1488年(長享二年)に記される。
黄梅=オウバイ・・・『天王寺屋会記』1575年(天正三年)に記される。
大はい=オウバイ・・・『立花便覧』1695年(元禄八年)に記される。
迎春=オウバイ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
卯春花=オウバイ・・・『抛入花薄精微』1796年(寛政七年)に記される。
 
オウレンキンポウゲ科)・・・種名
黄連=オウレン・・・『華道全書』1717年享保二年)に記される。
黄はちす=オウレン・・・『立華道知邊大成』1720年(享保五年)に記される。
 
オオカグマ(ウラボシ科)・・・種名
狗脊=オオカグマ・・・『立花指南』1688年(貞享五年)に記される。
 
オオケタデタデ科)・・・種名・・・オオケタデの初見→諸国産物帳1735~40年
葒草=オオケタデ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
 
オオバコ(オオバコ科)・・・種名・・・オオバコの初見→新撰字鏡900年頃
車前草=オオバコ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
野甜菜=オオバコ・・・『挿花千筋の麓』1768年(明和五年)に記される。
車前子=オオバコ・・・『小篠二葉伝』1787年天明七年)に記される。
おばこ=オオバコ・・・『活花圖大成』1789年(寛政元年)に記される。
 
オオヤマレンゲモクレン科)・・・種名・・・オオヤマレンゲの初見→花壇地錦抄1695年
玉蘭=大山蓮花=オオヤマレンゲ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。
大山蓮=オオヤマレンゲ・・・『川上不白利休二百回忌茶会記』1782年(天明二年)に記される。
 
オカトラノオサクラソウ科)・・・種名
虎尾=オカトラノオ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。
なお、『抛入花伝書』には「花白」の「虎尾」と秋に咲く「虎尾」も記している。
剪草=オカトラノオ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。『生花枝折抄』には「威霊草」クガイソウが記されており、したがって、「剪草」はオカトラノオと考えられる。

オギ(イネ科)・・・種名・・・オギの初見→万葉集785年前
おぎの葉=オギ・・・『仙傳抄』1445年(文安二年)に記される。
をぎ=荻=荻秬=オギ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。
 
オキナグサキンポウゲ科)・・・種名・・・オキナグサの初見→本草和名918年頃
おきな草=オキナグサ・・・『立花便覧』1695年(元禄八年)に記される。
ウナイコ=オキナグサ・・・『槐記』1726年(享保十一年)に記される。
善界草=オキナグサ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。