江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)381
米兵五千、北部上陸したと十二日の新聞
十二日の朝日新聞は、「米兵五千、北部上陸」「大山南方高地 総員斬込んで奪回」あるが、沖縄北部に米軍が上陸したことを伝える。米兵五千人は過大ではないだろう。
二面に「沖縄決戦は今一押し 敵撃滅に短い補給路を活かせ」高瀬五郎大佐が説く。
他に「豊作物を焼夷弾から護れ」「稲は乾燥中が危険 完熟期に萌えやすい麦類」との記事。
朝日に対して、読売新聞は「敵空母群撃滅へ」「悪天候冒し 特攻隊連続決戦」を強調している。「肉弾、八五高地奪回 名護村に敵新上陸」と、相反するような奪回と敵上陸を記している。「津堅島守備隊も猛反撃」「神山島 逆上陸斬込み」と続くが撃退したとは書かれていない。加えて、「今ぞ国土防衛懸案速決に」「快刀乱麻を断て」「一億の戦意凝集・新首相に続かん」との記事が横に並ぶ。
二面には、大和沈没の前日・六日に攻撃開始、「機逸せず『全軍突入』 遂に還らぬ、國安彗星隊」との記事。
ロッパは「・・・東中野駅、ホームに立ってゐると、『来襲』となり、電車は立往生で動かなくなっちまった。ホームの人々は皆外へ出されちまったが、・・・立川方面と、板橋方面の両方に、爆弾の音や、高射砲の音しきり」と鳴り響くのを聞いた。