和のガーデニング 16
十一月の花としては、イソギク・カントウヨメナ・菊類・シロバナタンポポ・スイセン・ツワブキ・ナンバンギセルなど限られる。これらの植物は大半がキク科の植物である。イソギクは、草丈30~40㎝程の多年草で、花は、茎の先端に鮮やかな黄色い小花(5~6㎜)を散房状につける。葉は長さ4~8㎝で厚く、縁に白毛があるので白く縁取られているように見える。海浜という厳しい環境に生育することから、強靱で病害虫に強く、栽培しやすい。イソギクは大きな株を形成することもあり、地下茎で増え繁殖力も旺盛である。
カントウヨメナは、草丈30~80㎝程の多年草で、茎の先端に3㎝位の薄紫の花をつける。以前はどこにでも見られる雑草に近い植物であったが、最近はあまり見かけなくなった。カントウヨメナは庭に植えると、多少日陰でも良く生育し増える。病害虫の心配も少なく、移植も容易で管理しやすい野草である。花の少ない十二月まで咲くので、庭や公園でのカントウヨメナの植栽を勧めたい。
十一月の管理作業で考慮すべきは、芽の出た植物を踏まないこと。それと枯れかけていても、最後まで葉を残す必要がある植物を刈り払わないこと。逆に、刈り取らねばならないササや灌木の実生を残さないことが重要。いずれも当然守るべきことであるが、年々進む維持管理費用の削減から難しくなっている。植物の管理は、持続的に行なわなければならないなのに、管理者が変わったり、現場の作業者が変わることも少なくない。特に、山野草は適切な対応が適宜求められるので、それに対して十分な引き継ぎが不可欠である。
植物の管理は、言うまでもなく緑花産業の要である。きめ細かい管理には、同じ人が継続して作業をするのが一番である。しかし近年は、現場で汗を流して働く人達の能力や志気は低下する一方。それは、環境緑化新聞第724号に示されたコンサルの実態からも窺えるように、末端の人達の労働環境が悪化しているからである。現場で働く人達が、仕事に自信と生き甲斐を感じなければ、業界の衰退はまぬがれない。業界は、これまでに資格を持ちたくても持てない労働者を、どのくらい切り捨ててきたか反省すべきである。もちろん今でも、業界の繁栄を考え、様々な施策を提案する人達がいることは確かだが、我が身を削るようなことまでして、労働者の処遇を真剣に考えた人達がどれくらいいるだろう。
次に、江戸時代のように国民の多くが植物に関心を持ち、身近に親しむようでなければ緑花産業の復興はない。今のままでは、一般の人たちの関心はさめたままで、緑花関連の消費はさらに冷え込むであろう。緑であればプラスチックでもお構いなし、さらには造花で修景すれば管理費が安くなる、というような認識がじわじわと浸透してきている。また、ホームセンターの売場を見れば一目瞭然、人々の関心は犬や猫などのペットに移ってしまった。このような状況を変えるには、小手先の施策ではじり貧を続けるだけ、ここは将来に向けて根本的かつ長期的な対応が必要である。
それには、業界内や高齢者に向けた対応より、若い女性や子供たちにこそ、地道な働きかけが必要だ。そしてそのことに、早く気づいてほしい。まず、子供たちには、上から目線の緑化や自然保護ではなく、自らその本質を考える語りかけるかが重要で、そんな学習教材となるべき、発信をしなければならない。また、縮小する緑花関連産業界にあって、唯一売場を広げているのは野菜である。少しでも人々の関心引きだすものがあれば、我々は手を広げるべきであろう。あえて、「ガーデニング」という言葉を使用するのは、そういった関連分野を包括するためでもある。
カントウヨメナは、草丈30~80㎝程の多年草で、茎の先端に3㎝位の薄紫の花をつける。以前はどこにでも見られる雑草に近い植物であったが、最近はあまり見かけなくなった。カントウヨメナは庭に植えると、多少日陰でも良く生育し増える。病害虫の心配も少なく、移植も容易で管理しやすい野草である。花の少ない十二月まで咲くので、庭や公園でのカントウヨメナの植栽を勧めたい。
十一月の管理作業で考慮すべきは、芽の出た植物を踏まないこと。それと枯れかけていても、最後まで葉を残す必要がある植物を刈り払わないこと。逆に、刈り取らねばならないササや灌木の実生を残さないことが重要。いずれも当然守るべきことであるが、年々進む維持管理費用の削減から難しくなっている。植物の管理は、持続的に行なわなければならないなのに、管理者が変わったり、現場の作業者が変わることも少なくない。特に、山野草は適切な対応が適宜求められるので、それに対して十分な引き継ぎが不可欠である。
植物の管理は、言うまでもなく緑花産業の要である。きめ細かい管理には、同じ人が継続して作業をするのが一番である。しかし近年は、現場で汗を流して働く人達の能力や志気は低下する一方。それは、環境緑化新聞第724号に示されたコンサルの実態からも窺えるように、末端の人達の労働環境が悪化しているからである。現場で働く人達が、仕事に自信と生き甲斐を感じなければ、業界の衰退はまぬがれない。業界は、これまでに資格を持ちたくても持てない労働者を、どのくらい切り捨ててきたか反省すべきである。もちろん今でも、業界の繁栄を考え、様々な施策を提案する人達がいることは確かだが、我が身を削るようなことまでして、労働者の処遇を真剣に考えた人達がどれくらいいるだろう。
次に、江戸時代のように国民の多くが植物に関心を持ち、身近に親しむようでなければ緑花産業の復興はない。今のままでは、一般の人たちの関心はさめたままで、緑花関連の消費はさらに冷え込むであろう。緑であればプラスチックでもお構いなし、さらには造花で修景すれば管理費が安くなる、というような認識がじわじわと浸透してきている。また、ホームセンターの売場を見れば一目瞭然、人々の関心は犬や猫などのペットに移ってしまった。このような状況を変えるには、小手先の施策ではじり貧を続けるだけ、ここは将来に向けて根本的かつ長期的な対応が必要である。
それには、業界内や高齢者に向けた対応より、若い女性や子供たちにこそ、地道な働きかけが必要だ。そしてそのことに、早く気づいてほしい。まず、子供たちには、上から目線の緑化や自然保護ではなく、自らその本質を考える語りかけるかが重要で、そんな学習教材となるべき、発信をしなければならない。また、縮小する緑花関連産業界にあって、唯一売場を広げているのは野菜である。少しでも人々の関心引きだすものがあれば、我々は手を広げるべきであろう。あえて、「ガーデニング」という言葉を使用するのは、そういった関連分野を包括するためでもある。
(以上は、環境緑化新聞http://www.interaction.co.jp/publication/news/ 11月15日号掲載)