2017-01-01から1年間の記事一覧

★遊びの楽しさを知る庶民

江戸庶民の楽しみ 4 ★遊びの楽しさを知る庶民 ・元和十年(1624年)二月、初代中村勘三郎、猿若座を創建し、歌舞伎芝居を興行する。 ・寛永元年(1624年)十一月、諸侯が江戸に妻子を置く。 ○明石志賀之助が寄相撲と称し六日間の興行(江戸勧進相撲の始め)を行…

江戸庶民の楽しみ3 見世物と歌舞伎

江戸庶民の楽しみ 3 ★見世物と歌舞伎 ・元和五年(1619年)五月、武家屋敷に町人・浪人の居住を禁止する。 ○西久保八幡宮境内に「時の鐘」できる。 ・元和六年(1620年)三月、米倉を浅草に築造する。 六月、秀忠の娘・和子は、後水尾天皇の女御として入内する…

庶民の遊びが始まる

江戸庶民の楽しみ 2 ★庶民の遊びが始まる ・慶長十五年(1610年)八月、琉球人江戸で三味線を弾く。 六月、疫病流行する。 ○日本橋のたもとに西川甚五郎(近江商人の四家に選ばれ)が出店する。 ・慶長十六年(1611年)五月、江戸城修築で日雇い仕事多く、庶民の…

江戸庶民の楽しみ 庶民の遊びが始まる前

江戸庶民の楽しみ 江戸時代は、遊びの時代の始まりである。江戸や大坂を皮切りに、日本全国に城下町が成立し、都市で生き生きと生活する人が急激に増えていった。都市生活で重要なことは、ものを生産したり蓄積することだけではなく、どんどん消費することで…

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分7

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分7 「草木植作様伊呂波分」に記されている言葉について、その使用がいくつか気になる。当時の言い方なのか、伊藤伊兵衛の個人的な使い方なのか判断に迷うものもある。そのような言葉について示し、考察してみる。 ・「さ…

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分6

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分6 ・「椿」は、他の植物にも増して挿木接木の詳細な説明があり、関心の高さがわかる。気になる記述は、「指木ハ切口を二つニわりたる所より根出ル」とあるが、枝を二に割って挿す方法は、現代ではあまり聞かない。実際に…

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分5

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分5 ひ 15品 「びやくしん」はミヤマビャクシン、本文中の「柏槙」に対応するものだろう。 「ひむろ」はヒムロ、本文中の「ひむろ」と同じ表記である。 「ひのき」はヒノキ、本文中の「檜」に対応するものだろう。 「びや…

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分4

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分4 こ 9品 「こぶし」はコブシ、本文中の「こぶし」と同じ表記である。 「高野槙」はコウヤマキ、本文中の「高野槙」と同じ表記である。 「こでまり」はコデマリ、本文中の「小てまり」に対応するものだろう。 「五味子」…

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分3

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分3 そ 3品 「蘇鉄」はソテツ、本文中の「蘇鉄」と同じ表記である。 「そよぎ」はソヨゴ、本文中の「そよぎ」と同じ表記である。 「鼠尾草」はミソハギ、本文中の「鼠尾草」と同じ表記である。 つ 6品 「椿」はツバキ総称…

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分2

『花壇地錦抄』6草木植作様伊呂波分2 ち 6品 「沈丁花」はジンチョウゲ、本文中の「沈丁花」と同じ表記である。 「ちやうし草」はチョウジソウ、本文中の「丁子草」に対応するものだろう。 「ちやうりやう草」はハンカイソウと思われるが、ハンカイソウは…

『花壇地錦抄』6 草木植作様之巻

『花壇地錦抄』6 草木植作様之巻 「草木植作様之巻」は、植物の植え方について解説している。 先ず、植栽には土・土壌に合わせて植えなければならないことを、事例をあげて示している。「たとへハ草ヲ原地に植れハ枯れ 野草を泥中ニ植れバ腐(根腐れ)する…

『花壇地錦抄』5 草花秋之部

『花壇地錦抄』5 草花秋之部 △草花秋之部 「草花秋之部」は62品あり、すべてに説明がある。「江戸版」「京都版」とも同数でほぼ同じである。これらを『牧野新日本植物図鑑』などから推測すると以下のようになる。 「白仙翁花」は、センノウ(ナデシコ科)の…

『花壇地錦抄』4 草花夏之部

『花壇地錦抄』4 草花夏之部 ○石竹のるひ 「石竹のるひ」は8品あり、すべてに説明がある。「江戸版」「京都版」とも同数でほぼ同じである。これらを『牧野新日本植物図鑑』で確認できたのは、「おらんた」だけである。 「おらんた」は、カーネーション(ナ…

『花壇地錦抄』4 草花春之部・草花夏之部

『花壇地錦抄』4草花春之部・草花夏之部 草花春之部 「草花春之部」には53品あり、すべてに説明がある。「江戸版」「京都版」とも同数でほぼ同じである。これらを『牧野新日本植物図鑑』などから推測すると以下のようになる。 「福寿草」は、フクジュソウ(…

『花壇地錦抄』3○冬木之分

『花壇地錦抄』3○冬木之分 ○松のるひ・・・8品 「松のるひ」は8品あり、すべてに説明がある。「江戸版」「京都版」とも同数でほぼ同じである。 「松のるひ」として「黒松・赤松・ちやうせん松・唐松・五葉松・ひめこ松・鹿嶋松・霜ふり」の品名がある。以…

『花壇地錦抄』3夏木

『花壇地錦抄』3夏木 ○楓のるひ・・・23品 「楓のるひ」は23品あり、すべてに説明がある。「江戸版」「京都版」とも同数でほぼ同じである。「楓のるひ」は、「高雄・八しほ・野村・せいがいは・しやうじやう・楊貴妃・たつた・獨搖楓・大しだり・うすかき・…

『花壇地錦抄』2さつき・梅・桃・海棠・櫻

『花壇地錦抄』2さつき・梅・桃・海棠・櫻 ○さつきのるひ・・・162品 サツキについては、「さつきのるひ」として品名が続く。「江戸版」「京都版」とも同数でほぼ同じである。『牧野新日本植物図鑑』には、サツキ(ツツジ科)以外の品名については詳細な種…

『花壇地錦抄』1芍薬/2椿・茶山花・躑躅

『花壇地錦抄』1芍薬/2椿・茶山花・躑躅 ○芍薬のるひ・・・116品 シャクヤクについては、「芍薬のるひ」として「小車・・・」と品名が続く。『牧野新日本植物図鑑』には、シャクヤク(キンポウゲ科)以外の品名については詳細な種の記載はない。 芍薬の品…

『花壇地錦抄』1牡丹

『花壇地錦抄』1牡丹 『花壇地錦抄』は、元禄八年(1695)に江戸近郊の染井の植木屋、伊藤伊兵衛(三之蒸)によって作成された園芸書である。資料として、『花壇地錦抄・草花絵前集』(平凡社東洋文庫・江戸版)、『近世歴史資料集成 第V期(第8巻)園芸【…

江戸時代初期の三園芸書の特徴

江戸時代初期の三園芸書の特徴 『花壇綱目』『花譜』『花壇地錦抄』の三書は、江戸時代初期の園芸書として優れた著作である。三書は、著者の関心の違いによりそれぞれが特徴のある記述がなされている。そこでまず、『花壇綱目』の植物の記述を詳細に見る。最…

伝統園芸の時代背景

伝統園芸の時代背景 日本人が園芸(Gardening)を始めのは有史以前からであろう。それについて具体的な証明をするには、何時・何処で・誰が・何を・何故・どのように(技術等)していたかを示さなければならない。それも個別的な事例ではなく、総合的な視点…