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『尺素往来』に記された植物その1

…ク科キクとする。 「牡丹」は、ボタン科ボタンとする。 「杜若」は、アヤメ科カキツバタとする。 「沈丁花」は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲとする。 「花鬘花」は、ケシ科ケマンソウであろう。なお、早稲田大学図書館『尺素往来』(以下、『早大版』)には「華鬘花」とあり「ケシケ」と振り仮名が打たれている。 「水仙花」は、ヒガンバナ科スイセンである。 「鵝尾花」は、『植栽史』では「イチハツ?」とされている。『早大版』では「鵝○(ヒ)花」と記されている。『抛入花伝書』にはイチハツを「鳶尾花」…

華道書(花伝書)の花材と茶花その9

…仙花)、ハボタン(葉牡丹)、ハマボウ(金木蘭)、ホタルソウ(樟芽菜)、マタタビ(木天蓼)、マツムシソウ(玉毬花)、ミズヒキ(海根)、ミスミソウ(三角草)、ミヤマレンゲ(玉蘭花)、ロウバイ(臘梅)などの新しい花材が記されている。これだけ多くの種を揃えた花伝書は、十八世紀に入ってからはなく、特異な存在である。 では、『生花百競』の花材は、十八世紀後半の茶会記に記された茶花をどの程度反映しているかを見ると、33%と半数にも満たない。使用頻度10位までには8種入っているものの、20位…

十八世紀後半の茶花その2

…。 ボタンは、「牡丹つぼみ」と記載されている。 マンサクは、「まんさく」と記載されている。 ムクゲは、「白はちす」「むくけ」などと記載されている。 モクレンは、「柴木蓮」と記載されている。 ヤナギは、「いのころ柳」「柳」と記載されている。 ヤマブキは、「山吹」と記載されている。 リンドウは、「白竜胆」と記載されている。 レンギョウは、「連翹」「連堯」と記載されている。 ロウバイは、「蝋梅」と記載されている。 新たに登場した茶花を示すと、クワイ、サンシュウ、ダイコン、アワモリシ…

十八世紀後半の茶花その1

…。 ボタンは、「牡丹」と記載されている。 マンサクは、「まんさく」と記載されている。 ミソハギは、「ミそ萩」と記載されている。 モクレンは、「木蓮」「柴木蓮」と記載されている。 モモは、「桃」と記載されている。 ヤナギは、「柳」と記載されている。 ヤマブキは、「山吹」と記載されている。 ユリは、「ゆり」と記載されている。 リンドウは、「ささりんとう」と記載されている。 レンギョウは、「れんきやう」と記載されている。 最も多く使用されているのは、ウメ9%とキク9%で、次いでツバ…

十八世紀前半の茶花その1

…。 ボタンは、「牡丹」と記載されている。 オグルマは、「小車」と記載されている。 ガンピは、「鳫緋」と記載されている。 アジサイは、「あちさゐ」と記載されている。 トコナツは、「常夏」と記載されているが、セキチクの一種とする。 『学恵茶湯志』の茶花と、他の茶会記の種別の使用頻度を比較すると、『伊達綱村茶会記』との相関係数は0.82である。また、『伊達綱村茶会記』と『天王寺屋会記』自会記との茶花の種別の使用頻度を比較すると、相関係数は0.79と重複種が50%しかない割には高い値…

十七世紀後半の茶花・その2

…茶花は、「菊」と「冬牡丹」である。 なお、茶会記の数は26会と少ないが、新しい茶花の登場する茶会記として、「後西院御茶之湯記」がある。それには、クマガイソウ、タニウツギ、センノウ、ミズアオイなど、新に登場した茶花が記されている。 さらに、『隔蓂記』にも茶花が記された9会の茶会記があり、10種の茶花が登場する。その中には、新たな茶花であるレンギョウが記されており、無視することはできない。 以上、十七世紀後半に使用された茶花が出てくる茶会記は、断片的な茶会記を合わせても、280会…

十七世紀後半の茶花・その1

…。 ボタンは、「牡丹」「紫牡丹」と記載されている。 キンポウゲは、「きんほうけ」と記載されている。 テッセンは、「てつせん」と記載されている。 アジサイは「あちさい」と記載されている。 バラは「長春」「ちやうしゆん」と記載されている。 ススキは、「薄」と記載されている。 ハスは、「白蓮」「はちす」と記載されている。 センニツソウは、「千日草」と記載されている。 サクラソウは、「桜草」と記載されている。 オグルマは、「おくるま」「小車」と記載されている。 ガンピは、「赤かんひ」…

『古田織部正殿聞書』の茶花

…華秀麗集818年 ・牡丹=ボタンの初見、蜻蛉日記954~974年 ・草牡丹はヤマシャクヤクかクサボタンか?、不明 ・浜菊=ハマギクの初見、花壇綱目初稿1664年 ・罌子=ケシの初見、源氏物語1007年頃 ・高麗芥子は不明 ・竜胆=リンドウの初見、古今和歌集914年頃 ・釣鐘=ツリガネニンジンであれば、日葡辞書1603~4年 ・○薇は不明(注・○はネットで表せない漢字) ・華鬘=ケマンソウであれば、尺素往来1481年前 ・連書は不明 ・花菖蒲=ハナショウブの初見、捨玉集1346…

十七世紀前半の茶花・古田織部正殿聞書の検討

…・姫萱草・苠・芍薬・牡丹・草牡丹・浜菊・罌子・高麗芥子・竜胆・釣鐘・○薇・華鬘・連書・花菖蒲・るかう・紫陽花・小車・鉄線花・野菊・風車・朝顔・筑紫撫子・蒲公英・旋華(ヒルカホ)・菖蒲・鳳仙花・馬藺・小鳶尾・黄梅・丁子・鹿梨子・木槿・合歓木・樒・沈丁花・石榴・山桜・雁緋・金盞花・肥後薊・薊菜・芙蓉・藻塩草・深山樒・河骨・鶏頭花・女郎花・仙連花・仙翁花・葵・凌霄華・鬼百合・姫百合・瓜・前尾草(ミソハキ)・七重花・茄子・菜大根花・皆百豆・忍冬・荊棘花・苗香・人参・尾花・菫・白扁豆・…

江戸時代の椿 その22

…長、花大サ四五寸恰モ牡丹花ノ如シ、色ニ紅アリ白アリ ヒラギツバキ 葉大ナラズ、辺縁鋸歯大ニシテ尖鏡、花小ニシテ開展セズ、ワビスケノ花形ノ如シ サザンクハ 茶梅 山茶ノ族ニシテ山林自生アルコトヲ不聞、園庭多ク栽テ愛玩スルコト山茶ノ如シ、花ノ大小、弁ノ狭潤、色ノ紅白等種々アルコト、山茶ノ如クナレドモ、葉差小ニシテ殆ト茶葉ノ如ク、花弁差薄シテ展開シ、実礎心蕋同形ナレドモ、雄蕋脚下ノ合併至テ微クシテ、筒様ヲナスニ至ラザルコト、ソノ殊標ニカカル、実亦同形ニシテ小ナリ 林氏前条下 Cam…

江戸時代の椿 その21

…が関(同上) 大和牡丹(同上) りうこ(同上) 淡路島(同上) あふひ(同上) なつかい(同上) ほし刑部(同上) 一二(同上) 白こしみの(同上) 北斗(同上) からや腰みの(同上)むらさき(同上) きりん(同上) さらさ(同上) 南蛮ほし(同上)やに絞(同上) 大りん(同上) まつ風しぼり(同上) かざ車(同上) 異国(同上) 以上五十図略之』 古今要覧稿巻第三百十 ●草木部 椿図三 『いさはや(加藤伊勢守藤原泰彦所蔵百椿図) 蜀江錦(同上) 猩々(同上) 水引(同上) …

天文・天正年間年間までの茶花

…。 ボタンは、「牡丹」「ぼたん」などと記載されている。 アブラナは、「ナタネノ花」「なたね花」などと記載されている。 ケシは、「けしの花」「芥子」などと記載されている。 ユウガオは、「夕かほ」などと記載されている。ウリ科のヒョウタンの可能性が高い。なお、「夕かほ」は、夕方に咲くという朝顔との対比で記し、ヒルガオ科のユウガオではないと思われるが確信はない。 チャは、「茶ノ花」と記載されている。 セリは、「セリ」と記載されている。 ウツギは、「ウツキ花」「卯の花」と記載されている…

茶花の初見

…・天正六年三月十日「牡丹」『天王寺屋会記』他会記 アブラナ・・・・・1579年・天正七年二月十三日「ナタネノ花」『天王寺屋会記』自会記 ケシ・・・・・・・1579年・天正七年四月廿八日「けしの花」『天王寺屋会記』自会記 ユウガオ・・・・・1579年・天正七年五月廿九日「夕かほ」『天王寺屋会記』自会記 チャ・・・・・・・1579年・天正七年十一月十六日「茶ノ花」『松屋会記』 セリ・・・・・・・1579年・天正七年十月廿一日「セリ」『天王寺屋会記』自会記 ウツギ・・・・・・158…

江戸時代の椿 その18

…根、白菊、六角、加賀牡丹、渡守、春日野、有川、朝露、乱拍子、薄衣、大江山、三国、玉簾、浦山開、荒浪、鳴戸、金水引等の号ありと(本草綱目啓蒙)見へたり、所謂 唐笠、白菊、春日野、加州、有川、乱拍子、薄衣、玉簾、荒浪、鳴戸、金水引等の名目は詳に増補地錦抄に載せたれば、古のみならず近世も亦我邦よりして此種を酉土には伝へしなり、此実の油を、今の俗には木の実の油といひ、その一名を周防にてはかたし油、長門にてはかたあし、肥前にてはかたいしのあぶらといふ、此油は男女にかぎらず髪のねばりてく…

江戸時代の椿 その17

…中為最花大而香、加賀牡丹甚佳、花色大紅如牡丹、花弁辺或有吐露白辺者、次則大紅牡丹、與渡守、春日倶妙、雑色最佳者、莫如有川、其白上有紅色如雲朝露其色紅有白点者、亂拍子亦然、有薄衣、色如醉楊妃者、有大江山一本有、三四色者有三国、一本乃三色者、有玉簾、一本四五色者、尚有浦山開、荒浪、鳴戸、関戸、金水引、皆為上種有加平牡丹、唐絲、鏡山、唐椿、山海牡丹諸種、皆其下者、共有五百種、有一種天下奇、開花朶色百様、其国内亦少、不可得者有一種一名五寸といへり(此下に植様接木の法ものせたれどもここ…

江戸時代の椿 その14

…白菊 六角 加賀牡丹 渡守 春日 有川 朝露 乱拍子 薄衣 大江山 三国 玉簾 浦山開 荒浪 鳴戸 関戸 金水引等ノ号アリ。朝鮮ニテハ冬花ヲ開ク者ヲ冬柏ト云、春花ヲ開ク者ヲ春柏ト云コト養花小録ニ出。山茶略ツテ単ニ茶ト云。其品甚多シ。花史左編、群芳譜、秘伝花鏡等ニ詳ナリ。和産殊ニ多シテ数百種ニ至ル。此条下ニ数種ヲ出ス。宝珠茶ハ俗名タマテバコ、大和本草ニハ、タマシマツバキト云。千葉ニシテ蘂ナシ。中心ノ弁開カズシテ宝珠ノ形ノ如シ。凡ソ七十余弁アリト大和本草ニ云リ。紅白ノ二色アリ。海…

江戸時代の椿 その13

…、明治時代には「天竺牡丹」「天竺葵」と呼ばれていた植物、これが何のことかわかる人は、今ではそう多くはないと思う。現在では、ダリア、ゼラニュウムと言うように、名前の呼び方は変化していく。さらに、「朝顔」は平安時代にはキキョウを指しており、江戸時代でもアサガオは「蕣・牽牛花」と表記されるのが主流であった。だが、時代が経つにつれて、アサガオは「朝顔」と表記されることが多くなって、その書き方や呼び名が広く浸透していった。 そう言えば現代では、「月見草」といえば、オオマツヨイグサのこと…

茶庭 22 小堀遠州その7

…スイセン・蓮・杜若・牡丹 ・桃 ・卯の花 ・朝顔 ・ほけ・藤・アジサイ・夕顔・しの花・やくも花・小車がある。『利休の茶花』の種類は『小堀遠州茶会記集成』の茶花の72%が同じで、かなり似ていると言えそうである。 金盞銀台 眼皮 さらに、『山上宗二記』に示された茶花とも比べてみよう。記されている花は、「白梅。妻(め)柳。薄色の椿。白玉椿。金盞銀台。水仙花。寒菊。芍薬 薄色の千葉(ただし赤芍薬無用なり)。うちの撫子。石竹。桔梗。夕顔。白き芥子。槿(あさがお)。萩。眼皮(がんぴ)。一…

江戸時代の椿 その11

…くはん)・星緋車・星牡丹・子規(ほととぎす)・本間絞り・まきぎぬ・松かさ(松笠)・松嶋・松しま(上とは別)・まり唐子・みささぎ・乱(みだれ)かのこ・乱獅子・みどり・みなもと・三室山(みむろ山)・ミやまき・む蔵野・村雨(むらきめ)・むるい(無類)・もくちん花・もしほ・もみぢ・八重鹿村榊・八重白ふやう榊・八重せつかう・八重松風・八代・ゆき平(行平)・横川・横雲・乱拍子・りうじん・六角白・若草・和歌の浦・渡し守・俺助(わびすけ)」。 なお、岩佐亮二・元千葉大学園芸学部教授に尋ねたと…

茶庭 21 小堀遠州その6

…キク・フクジュソウ・牡丹 12月・・スイセン・ウメ・ツバキ 以上の茶花を使用頻度で示すと、右図のようになる。 ・最も使用回数の多いスイセンは、大半が「水仙」と表記され、他に「水せん」「水山」「花水仙」の文字が使われている。色は、大半が白いニホンスイセンと思われるが、花期の長さから考えると、一種類ではないようだ。スイセンは、花が小さく自己主張しないので、多様な花入れに対応したと思われる。 ・ウメは、大半が「梅」と表記され、他に「紅梅」が4回でてくる。したがって、花の色は白が多か…

江戸時代の椿 その8

…礒枕 淡路島 星牡丹 無双 珍花 水車 深山木 東明 六角白 巴 淡雪 渡守 鹿村 菊左良佐 鶏了 音羽山 鳴渡 金杉三階 行幸 豊後絞 鴇白 錦絞 乱拍子 雲井 松風 菊蠋紅 一筋 志也武呂 発煩 松島 柊椿 濃紅 宰府 飛入 阿蘭陀白 白蓮花 通千鳥 八代 阿蘭陀紅 荒獅子 蠋紅 唐糸 侘助 高倉 峰嵐 春日野 細波 翁左良佐 紅葉 加平 限 襖波 珠簾 薄紅葉 卜伴 紅鹿子 乱鹿子 本間絞 杜鵑 頳縮緬 玉川 紋錦 金水引 白鷳 星車 韋駄天 口紅 紅鶏子 四階波 白珍…

江戸時代の椿 その7

…星・白獅子・礒枕*星牡丹・稲葉*淡路島・珍花*無双・水車・深山木・渡守・淡雪・東明・六角白・白巴・金杉三階・鹿村*鶏子*菊左良佐*音羽山*豊後絞*鳴渡*行幸*乱拍子*錦絞*鴇白・松風・菊蠋紅*雲井・一筋*柊椿*志也武呂・発煩*濃紅*阿蘭陀白*八代(八代紅とある)*美奈茂登*白蓮花・松島・通千鳥*高倉*阿蘭陀紅・荒獅子*唐糸*蠋紅*緋蓮花*侘助*翁左良佐・峰嵐*春日野・紅葉*加平*細波*限*澳波*紅鹿子*乱鹿子*珠簾*頳縮緬*本間絞(本間更紗とある)*卜伴*薄紅葉*玉川*杜鵑*…

江戸時代の椿 その6

…葩厚く大、艶美にして牡丹育薬に亜ぐ、惟恨むらく共萎むや甚だ醜し、其落るや亦脆きのみ、単弁赤きは山椿と名づく、これ乃ち本源なり、白紅粉絞紅或は白相半、八重千弁の数種枚挙せられず、秋より莟を生じ春花を開く、冬開くものは早開と名づく、人以てこれを賞す、凡そ椿の直木を伐りて火に煖むれば則ち皮能剥ぐ、肌滑なり、僧家以て佳丈となす」とある。 原種のヤブツバキ、白色や絞り、八重千弁などの花についてだけでなく、椿油や杖など、ツバキの活用法にまで触れている。 唐椿(カラツバキ)cibaさん提…

江戸時代の椿 その4

…き・通千鳥・秋津嶋・牡丹絞・たんちょう・大れんげ・せんし紅・小しぼり・江戸さらさ・玉川・大猪・さき山・白菊とじ・しらつゆ・塩田飛入・あいの山・はごろも・大乱・しげん紅・ごしょ車・見ささき・白松がえ・べにしぼり・星そこ白・おしろ白菊・菊かさね・しつくら・おとわ山・うすかずら・赤縮緬・小桜・赤見驚・りゅうさ川・たんじゅ・しんし・青玉・中ほん・ほとり・倉橋・あさつま・小蓮花・せつさん・ほし中白・今井・じんじょう・見越・蓮花紅・おとなし・皆薄衣・小柳・もの川・まんしゅ・赤紅・戸田飛入…

江戸時代の椿 その3

…と、山茶・岐隼・八幡牡丹・雨ヶ下・シヤウドウシ・ヤハ物狂・モジスリ・江戸大輪・大坂モツカウ・吉野シボリ・獅子・チン花・ササ浪・シカムラ・乱拍子・越前シボリ・小町・七面・ホンマザサラ・飛入シンクリ・越前シボリ(前出とは別)・乱拍子(前出とは別)・カナスギサンガイである。 ・『草花魚貝虫類写生』 寛文九年(1669)、狩野常信(狩野派・幕府の御用絵師)は、『草花魚貝虫類写生』に「シャラ」(沙羅双樹・ナツツバキ)を描いた。ナツツバキは、東北地方以南に昔から生育している樹木ではあるが…

江戸時代の椿 その2

… 卯月十三日晩 牡丹 椿 寛永十九年(1642) 卯月十八日朝 牡丹 山吹 寛永十九年(1642) 卯月廿六日朝 藤 椿 正保 二年(1645) 十月十九日朝 水仙 椿 正保 二年(1645) 霜月廿五日晩 梅 椿 正保 三年(1646) 二月十一日朝 梅椿 ★1640年代(寛永~正保年間) 『隔蓂記』の椿 ・日記 ツバキの愛好者は、寛永年間から正保年間にかけても大勢存在したと思われる。鹿苑寺(金閣寺)の住持鳳林承章の日記『隔蓂記』にも、ツバキに関する記述がいくつも見ることが…

江戸の盆栽 6

…園芸品種。 「寒牡丹」は、ボタン科の「フユボタン」。 「メラン」は、ラン科「スルガラン」の一種らしい。 「ヘゴ」は、ヘゴ科の「ヘゴ」。 「ツゲマツ」は、ヤドリギ科の「マツグミ」であろう。 「唐蝋梅」は、ロウバイ科の「トウロウバイ」。 「鶴蘭」は、ラン科の「ツルラン」。別名「ナツエビネ」ともいう。 「榕樹」は、クワ科の「ガシュマル」。 「羅漢まき」(地ぼり)は、マキ科の「ラカンマキ」。 「桂樹果」はわからない。「チョウセンカラマツ」を「桂樹」と書くことがある。 「酔芙蓉」は、ア…

江戸の盆栽 5

…りの種類か。 「牡丹葉延胡索」は、中国原産のケシ科「ケマンソウ」か。「延胡索」は生薬。「牡丹葉」が付いていることから園芸品種として売られていたのだろう。 「漢種淫羊藿」は、中国産のメギ科イカリソウの一種と思われる。「淫羊藿(インヨウカク)」は生薬名。 「クマタケラン」は、ショウガ科の「クマタケラン」。薬草として販売か。 「杜若(青のクマケラン)」は、ショウガ科の「アオノクマタケラン」。『牧野新植物図鑑』には、「クマタケランに比べて全体に緑色だけで赤味がない」とある。 「カサユ…

福寿草

…は、正月には華やかな牡丹の盆栽(はちうえ)を飾った。それ比べると、新春にふさわしい控えめな愛らしさを持つ花である。節分の頃に咲く花としては、セツブンソウ、ユキワリイチゲなど美しい花は、いくつかある。その中から選ばれたフクジュソウは、名前からしても「福」と「寿」の二字が入っている何ともめでたい花である。 『牧野新植物図鑑』には、「新年を祝う花として元日に用いるので、祝福してこの佳い名をつけたものである。」とあるが、フクジュソウという名は、江戸時代になって浸透したようである。フク…

茶庭 9 千利休その5

…。また、『水仙』と『牡丹』とは各二回である。 『卯の花』『朝顔』『白蓮』『かきつばた』の各二回と、『薄色つばき』『白桃』『藤』『あじさい』『夕顔』『木瓜』『しの花』(山竹)『やくも花』(益母草)『小車』(瀬覆花)が一回ずつ見られる。」 これらの花については、『南方録』をそのまま紹介するのではなく、利休の嫌いな花など、個人的な好みも加味して考察している。それでも、『利休の茶花』の内容は、『南方録』『滅後』を著した立花実山の枠の中での考察となっている。 次に、利休の茶会記から、岡…