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『花暦』4

… 六月二十三日 松葉牡丹 「松葉牡丹」は、スベリヒユ科一年生草本のマツバボタン。日中は花が開いているが、夜になると閉じる。花の色は、書かれていないが赤色系かと思われる。 六月二十五日 テッパウ百合 「テッパウ百合」は、ユリ科のテッポウユリ(鉄砲百合)であるが、園芸品種らしい。テッポウユリの開花は五月中旬で、鷗外が見た時期では遅すぎる。現代では、園芸品種の新テッポウユリがちょうどこの時期に花を咲かせる。鷗外の庭に植えられていたユリは、今の新テッポウユリとは異なるが、園芸品種の一…

『花道古書集成』第四巻の花材

…ゲとした。 「秋牡丹」は「しうめいきく」と仮名が付され、キンポウゲ科のシュウメイギクとした。 「睡蓮」は「ひつじくさ」と仮名が付され、スイレン科のスイレンとした。 「山蘭」は「さんらん」と仮名が付され、別名「鈴蘭」からユリ科のスズランとした。 「蘇鉄」は、ソテツ科のソテツとした。 「大黄」は、タデ科のダイオウ(ルバーブ)とした。 「茅針」は「つはな」と仮名が付され、イネ科のチガヤとした。 「孩兒菊」は「ちやらん」と仮名が付され、センリョウ科のチャランとした。 「沙参」は「つり…

『花道古書集成』第三巻の花材

…仙花)、ハボタン(葉牡丹)、ハマボウ(金木蘭)、ホタルソウ(樟芽菜)、マタタビ(木天蓼)、マツムシソウ(玉毬花)、ミズヒキ(海根)、ミスミソウ(三角草)、ミヤマレンゲ(玉蘭花)、ロウバイ(臘梅)などの新しい花材が記されている。これだけ多くの種を揃えた花伝書は、十八世紀に入ってからはなく、特異な存在である。 では、『生花百競』の花材は、十八世紀後半の茶会記に記された茶花をどの程度反映しているかを見ると、33%と半数にも満たない。使用頻度10位までには8種入っているものの、20位…

続華道古書集成の植物 第四巻その1

…珠、杜若、下野、葡、牡丹、石竹、水仙などで・・・花の出生に感じる面影を、自然の風躯として生げようとする妙技がみられる」とある。 『宗徧茶花』は解題の通り、花材の図である。解題に記された植物が描かれているものの、絵には花材名などの記載は何もない。絵は精巧とは言い難く、植物名を同定しがたい絵があるため、検討を省く。 『立花圖巻』 『立花圖巻』は、解題によれば「この図巻には、おわりに、淇園主人画とあるだけで、描かれた年月その他一切記入されていない。巻中に十二の作品図がある・・・全体…

『花の巻』(『茶之湯三傳集』)の出典を探る

…大般若・黄酔楊妃・玉牡丹・顏・海棠・明方・黄栢・絲棯・熊谷・櫻菊・白檀・唐朽葉・僧正・北絹・輪氵厺・朽葉實盛・信濃紅・紫檀菊・黄棯・難波菊・伊勢菊・朝日・白熊・御所紅・躑躅・明星・菊鴨・女郎花・中紫・薄紅・曙・播磨中将・紅御所・黄猩々・慈童・破軍・天龍寺・金盞銀臺・眞紅・清見寺・濱萩・鶯・黄明菊・薄朽葉・大猩々・鶯宿・○(ソ子三)・小田原・播磨宰相・小茜・小櫻・大白・六代・金菊・薄雲・宇治河・亂猩々・金目貫・西施紅・半格・小梅菊・小姫・伊勢櫻・照紅・小棯・小濡鷺・紅菊・猿子・…

茶花と花材の植物名その14

…年)に記される。 牡丹=ボタン・・・『池坊専應口傳』1542年(天文十一年)に記される。 木芍薬=百両金=國色=酔西施=ふかみ草=はつか草=てるほ草=ボタン・・・『立花秘傳抄』1688年(貞享五年)に記される。 花王=ボタン・・・『古流挿花湖月抄』1790年(寛政二年)に記される。 ホトトギス(ユリ科)・・・種名・・・ホトトギスの初見→花壇綱目1664年 蜀魂草=ホトトギス・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。 杜鵑草=ホトトギス・・・『生花枝折抄』1773年…

茶花と花材の植物名その12

…万益集1717年 葉牡丹=ハボタン・・・『生花百競』1768年(明和五年)に記される。 ハマギク(キク科)・・・種名・・・ハマギクの初見→花壇綱目1664年 佛頂菊=ハマギク・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。 はまぎく=ハマギク・・・『挿花秘傅伝圖式』1799年(寛政十年)に記される。 ハマスゲ(カヤツリグサ科)・・・種名 カウフシ=ハマスゲ・・・『山科家礼記』1492年(明応元年)に記される。 香附子=ハマスゲ・・・『池坊専應口傳』1542年(天文十一年…

茶花と花材の植物名その11

…)に記される。 纒枝牡丹=テッセン・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。 鉄仙=テッセン・・・『甲陽生花百瓶図』1774年(安永三年)に記される。 テマリバナ(スイカズラ科)・・・園芸品種 天まり=テマリバナ・・・『有楽亭茶湯日記』1613年(慶長十八年)に記される。 手鞠花=テマリバナ・・・『立花大全』1683年(天和三年)に記される。 毬花=テマリバナ・・・『抛入花傳書』1684年(貞享一年)に記される。 てまり=大てまり=テマリバナ・・・『立花正道集』1…

茶花と花材の植物名その8

…用集1500年頃 秋牡丹=シュウメイギク・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に記される。 しやうめいきく=シュウメイギク・・・『川上不白利休二百回忌茶会記』1782年(天明二年)に記される。 きふね菊=シュウメイギク・・・『古流挿花湖月抄』1790年(寛政二年)に記される。 妃野祢きく=シュウメイギク・・・『小篠二葉伝』1787年(天明七年)に記される。 ジュズダマ(イネ科)・・・種名・・・ジュズダマの初見→古語拾遺807年 びやくじゆつ=ジュズダマ『川上不白利休二百回…

茶花と花材の植物名その6

…ゲ科)・・・種名 草牡丹=クサボタン・・・『華道全書』1717年(享保二年)に記される。 クスノキ(クスノキ)・・・種名・・・クスノキの初見→日本書紀720年 楠=クスノキ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。 クズ(マメ科)・・・種名・・・クズの初見→日本書紀720年 くすの花=クズ・・・『天王寺屋会記』1582年(天正十年)に記される。 花葛=クズ・・・『替花傳秘書』1661年(寛文元年)に記される。 葛花=クズ・・・『生花枝折抄』1773年(安永二年)に…

茶花と花材の植物名その5

…年)に記される。 冬牡丹=カンボタン・・・『生花百競』1768年(明和五年)に記される。 キュウリ(ウリ科)・・・種名・・・キュウリの初見→倭名類聚抄935年頃 黄瓜花=キウリ・・・『天王寺屋会記』1583年(天正十一年)に記される。 キカシグサ(ミソハギ科)・・・種名 木歌=キカシグサ・・・『酒井宗雅茶会記』1787年(天明七年)に記される。 キキョウ(キキョウ科)・・・種名・・・キキョウの初見→古今和歌集914年頃 ききやう=キキョウ・・・『仙傳抄』1445年(文安二年)…

『尺素往来』に記された植物その1

…ク科キクとする。 「牡丹」は、ボタン科ボタンとする。 「杜若」は、アヤメ科カキツバタとする。 「沈丁花」は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲとする。 「花鬘花」は、ケシ科ケマンソウであろう。なお、早稲田大学図書館『尺素往来』(以下、『早大版』)には「華鬘花」とあり「ケシケ」と振り仮名が打たれている。 「水仙花」は、ヒガンバナ科スイセンである。 「鵝尾花」は、『植栽史』では「イチハツ?」とされている。『早大版』では「鵝○(ヒ)花」と記されている。『抛入花伝書』にはイチハツを「鳶尾花」…

華道書(花伝書)の花材と茶花その9

…仙花)、ハボタン(葉牡丹)、ハマボウ(金木蘭)、ホタルソウ(樟芽菜)、マタタビ(木天蓼)、マツムシソウ(玉毬花)、ミズヒキ(海根)、ミスミソウ(三角草)、ミヤマレンゲ(玉蘭花)、ロウバイ(臘梅)などの新しい花材が記されている。これだけ多くの種を揃えた花伝書は、十八世紀に入ってからはなく、特異な存在である。 では、『生花百競』の花材は、十八世紀後半の茶会記に記された茶花をどの程度反映しているかを見ると、33%と半数にも満たない。使用頻度10位までには8種入っているものの、20位…

十八世紀後半の茶花その2

…。 ボタンは、「牡丹つぼみ」と記載されている。 マンサクは、「まんさく」と記載されている。 ムクゲは、「白はちす」「むくけ」などと記載されている。 モクレンは、「柴木蓮」と記載されている。 ヤナギは、「いのころ柳」「柳」と記載されている。 ヤマブキは、「山吹」と記載されている。 リンドウは、「白竜胆」と記載されている。 レンギョウは、「連翹」「連堯」と記載されている。 ロウバイは、「蝋梅」と記載されている。 新たに登場した茶花を示すと、クワイ、サンシュウ、ダイコン、アワモリシ…

十八世紀後半の茶花その1

…。 ボタンは、「牡丹」と記載されている。 マンサクは、「まんさく」と記載されている。 ミソハギは、「ミそ萩」と記載されている。 モクレンは、「木蓮」「柴木蓮」と記載されている。 モモは、「桃」と記載されている。 ヤナギは、「柳」と記載されている。 ヤマブキは、「山吹」と記載されている。 ユリは、「ゆり」と記載されている。 リンドウは、「ささりんとう」と記載されている。 レンギョウは、「れんきやう」と記載されている。 最も多く使用されているのは、ウメ9%とキク9%で、次いでツバ…

十八世紀前半の茶花その1

…。 ボタンは、「牡丹」と記載されている。 オグルマは、「小車」と記載されている。 ガンピは、「鳫緋」と記載されている。 アジサイは、「あちさゐ」と記載されている。 トコナツは、「常夏」と記載されているが、セキチクの一種とする。 『学恵茶湯志』の茶花と、他の茶会記の種別の使用頻度を比較すると、『伊達綱村茶会記』との相関係数は0.82である。また、『伊達綱村茶会記』と『天王寺屋会記』自会記との茶花の種別の使用頻度を比較すると、相関係数は0.79と重複種が50%しかない割には高い値…

十七世紀後半の茶花・その2

…茶花は、「菊」と「冬牡丹」である。 なお、茶会記の数は26会と少ないが、新しい茶花の登場する茶会記として、「後西院御茶之湯記」がある。それには、クマガイソウ、タニウツギ、センノウ、ミズアオイなど、新に登場した茶花が記されている。 さらに、『隔蓂記』にも茶花が記された9会の茶会記があり、10種の茶花が登場する。その中には、新たな茶花であるレンギョウが記されており、無視することはできない。 以上、十七世紀後半に使用された茶花が出てくる茶会記は、断片的な茶会記を合わせても、280会…

十七世紀後半の茶花・その1

…。 ボタンは、「牡丹」「紫牡丹」と記載されている。 キンポウゲは、「きんほうけ」と記載されている。 テッセンは、「てつせん」と記載されている。 アジサイは「あちさい」と記載されている。 バラは「長春」「ちやうしゆん」と記載されている。 ススキは、「薄」と記載されている。 ハスは、「白蓮」「はちす」と記載されている。 センニツソウは、「千日草」と記載されている。 サクラソウは、「桜草」と記載されている。 オグルマは、「おくるま」「小車」と記載されている。 ガンピは、「赤かんひ」…

『古田織部正殿聞書』の茶花

…華秀麗集818年 ・牡丹=ボタンの初見、蜻蛉日記954~974年 ・草牡丹はヤマシャクヤクかクサボタンか?、不明 ・浜菊=ハマギクの初見、花壇綱目初稿1664年 ・罌子=ケシの初見、源氏物語1007年頃 ・高麗芥子は不明 ・竜胆=リンドウの初見、古今和歌集914年頃 ・釣鐘=ツリガネニンジンであれば、日葡辞書1603~4年 ・○薇は不明(注・○はネットで表せない漢字) ・華鬘=ケマンソウであれば、尺素往来1481年前 ・連書は不明 ・花菖蒲=ハナショウブの初見、捨玉集1346…

十七世紀前半の茶花・古田織部正殿聞書の検討

…・姫萱草・苠・芍薬・牡丹・草牡丹・浜菊・罌子・高麗芥子・竜胆・釣鐘・○薇・華鬘・連書・花菖蒲・るかう・紫陽花・小車・鉄線花・野菊・風車・朝顔・筑紫撫子・蒲公英・旋華(ヒルカホ)・菖蒲・鳳仙花・馬藺・小鳶尾・黄梅・丁子・鹿梨子・木槿・合歓木・樒・沈丁花・石榴・山桜・雁緋・金盞花・肥後薊・薊菜・芙蓉・藻塩草・深山樒・河骨・鶏頭花・女郎花・仙連花・仙翁花・葵・凌霄華・鬼百合・姫百合・瓜・前尾草(ミソハキ)・七重花・茄子・菜大根花・皆百豆・忍冬・荊棘花・苗香・人参・尾花・菫・白扁豆・…

江戸時代の椿 その22

…長、花大サ四五寸恰モ牡丹花ノ如シ、色ニ紅アリ白アリ ヒラギツバキ 葉大ナラズ、辺縁鋸歯大ニシテ尖鏡、花小ニシテ開展セズ、ワビスケノ花形ノ如シ サザンクハ 茶梅 山茶ノ族ニシテ山林自生アルコトヲ不聞、園庭多ク栽テ愛玩スルコト山茶ノ如シ、花ノ大小、弁ノ狭潤、色ノ紅白等種々アルコト、山茶ノ如クナレドモ、葉差小ニシテ殆ト茶葉ノ如ク、花弁差薄シテ展開シ、実礎心蕋同形ナレドモ、雄蕋脚下ノ合併至テ微クシテ、筒様ヲナスニ至ラザルコト、ソノ殊標ニカカル、実亦同形ニシテ小ナリ 林氏前条下 Cam…

江戸時代の椿 その21

…が関(同上) 大和牡丹(同上) りうこ(同上) 淡路島(同上) あふひ(同上) なつかい(同上) ほし刑部(同上) 一二(同上) 白こしみの(同上) 北斗(同上) からや腰みの(同上)むらさき(同上) きりん(同上) さらさ(同上) 南蛮ほし(同上)やに絞(同上) 大りん(同上) まつ風しぼり(同上) かざ車(同上) 異国(同上) 以上五十図略之』 古今要覧稿巻第三百十 ●草木部 椿図三 『いさはや(加藤伊勢守藤原泰彦所蔵百椿図) 蜀江錦(同上) 猩々(同上) 水引(同上) …

天文・天正年間年間までの茶花

…。 ボタンは、「牡丹」「ぼたん」などと記載されている。 アブラナは、「ナタネノ花」「なたね花」などと記載されている。 ケシは、「けしの花」「芥子」などと記載されている。 ユウガオは、「夕かほ」などと記載されている。ウリ科のヒョウタンの可能性が高い。なお、「夕かほ」は、夕方に咲くという朝顔との対比で記し、ヒルガオ科のユウガオではないと思われるが確信はない。 チャは、「茶ノ花」と記載されている。 セリは、「セリ」と記載されている。 ウツギは、「ウツキ花」「卯の花」と記載されている…

茶花の初見

…・天正六年三月十日「牡丹」『天王寺屋会記』他会記 アブラナ・・・・・1579年・天正七年二月十三日「ナタネノ花」『天王寺屋会記』自会記 ケシ・・・・・・・1579年・天正七年四月廿八日「けしの花」『天王寺屋会記』自会記 ユウガオ・・・・・1579年・天正七年五月廿九日「夕かほ」『天王寺屋会記』自会記 チャ・・・・・・・1579年・天正七年十一月十六日「茶ノ花」『松屋会記』 セリ・・・・・・・1579年・天正七年十月廿一日「セリ」『天王寺屋会記』自会記 ウツギ・・・・・・158…

江戸時代の椿 その18

…根、白菊、六角、加賀牡丹、渡守、春日野、有川、朝露、乱拍子、薄衣、大江山、三国、玉簾、浦山開、荒浪、鳴戸、金水引等の号ありと(本草綱目啓蒙)見へたり、所謂 唐笠、白菊、春日野、加州、有川、乱拍子、薄衣、玉簾、荒浪、鳴戸、金水引等の名目は詳に増補地錦抄に載せたれば、古のみならず近世も亦我邦よりして此種を酉土には伝へしなり、此実の油を、今の俗には木の実の油といひ、その一名を周防にてはかたし油、長門にてはかたあし、肥前にてはかたいしのあぶらといふ、此油は男女にかぎらず髪のねばりてく…

江戸時代の椿 その17

…中為最花大而香、加賀牡丹甚佳、花色大紅如牡丹、花弁辺或有吐露白辺者、次則大紅牡丹、與渡守、春日倶妙、雑色最佳者、莫如有川、其白上有紅色如雲朝露其色紅有白点者、亂拍子亦然、有薄衣、色如醉楊妃者、有大江山一本有、三四色者有三国、一本乃三色者、有玉簾、一本四五色者、尚有浦山開、荒浪、鳴戸、関戸、金水引、皆為上種有加平牡丹、唐絲、鏡山、唐椿、山海牡丹諸種、皆其下者、共有五百種、有一種天下奇、開花朶色百様、其国内亦少、不可得者有一種一名五寸といへり(此下に植様接木の法ものせたれどもここ…

江戸時代の椿 その14

…白菊 六角 加賀牡丹 渡守 春日 有川 朝露 乱拍子 薄衣 大江山 三国 玉簾 浦山開 荒浪 鳴戸 関戸 金水引等ノ号アリ。朝鮮ニテハ冬花ヲ開ク者ヲ冬柏ト云、春花ヲ開ク者ヲ春柏ト云コト養花小録ニ出。山茶略ツテ単ニ茶ト云。其品甚多シ。花史左編、群芳譜、秘伝花鏡等ニ詳ナリ。和産殊ニ多シテ数百種ニ至ル。此条下ニ数種ヲ出ス。宝珠茶ハ俗名タマテバコ、大和本草ニハ、タマシマツバキト云。千葉ニシテ蘂ナシ。中心ノ弁開カズシテ宝珠ノ形ノ如シ。凡ソ七十余弁アリト大和本草ニ云リ。紅白ノ二色アリ。海…

江戸時代の椿 その13

…、明治時代には「天竺牡丹」「天竺葵」と呼ばれていた植物、これが何のことかわかる人は、今ではそう多くはないと思う。現在では、ダリア、ゼラニュウムと言うように、名前の呼び方は変化していく。さらに、「朝顔」は平安時代にはキキョウを指しており、江戸時代でもアサガオは「蕣・牽牛花」と表記されるのが主流であった。だが、時代が経つにつれて、アサガオは「朝顔」と表記されることが多くなって、その書き方や呼び名が広く浸透していった。 そう言えば現代では、「月見草」といえば、オオマツヨイグサのこと…

茶庭 22 小堀遠州その7

…スイセン・蓮・杜若・牡丹 ・桃 ・卯の花 ・朝顔 ・ほけ・藤・アジサイ・夕顔・しの花・やくも花・小車がある。『利休の茶花』の種類は『小堀遠州茶会記集成』の茶花の72%が同じで、かなり似ていると言えそうである。 金盞銀台 眼皮 さらに、『山上宗二記』に示された茶花とも比べてみよう。記されている花は、「白梅。妻(め)柳。薄色の椿。白玉椿。金盞銀台。水仙花。寒菊。芍薬 薄色の千葉(ただし赤芍薬無用なり)。うちの撫子。石竹。桔梗。夕顔。白き芥子。槿(あさがお)。萩。眼皮(がんぴ)。一…

江戸時代の椿 その11

…くはん)・星緋車・星牡丹・子規(ほととぎす)・本間絞り・まきぎぬ・松かさ(松笠)・松嶋・松しま(上とは別)・まり唐子・みささぎ・乱(みだれ)かのこ・乱獅子・みどり・みなもと・三室山(みむろ山)・ミやまき・む蔵野・村雨(むらきめ)・むるい(無類)・もくちん花・もしほ・もみぢ・八重鹿村榊・八重白ふやう榊・八重せつかう・八重松風・八代・ゆき平(行平)・横川・横雲・乱拍子・りうじん・六角白・若草・和歌の浦・渡し守・俺助(わびすけ)」。 なお、岩佐亮二・元千葉大学園芸学部教授に尋ねたと…